世間一般では「看護師は給料が高い」という認識があります。

しかし、実際に看護師として働いている方の中には、「給料が安い」と不満を持っている方はたくさんいるのではないでしょうか?

実際に看護業界では、仕事がハードな割に受け取る給料額が見合っていないこともしばしばあります。

この記事では、看護師が受け取っている給料額を様々な角度から紹介しています。

このデータを元に、あなたが今受け取っている給料が適正な給料額なのかどうかを参考にしてみてください。

さらに、給料をもっとアップするためにはどうすればいいのか?についても紹介しています。

この記事を通して、看護師のあなたが自分の働きに見合った給料を受け取るためにはどうすればいいのか?を一緒に考えていきましょう。

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データで見る看護師の給料を徹底検証

看護師の給与は平均329,200円

厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均給与額は329,200円となっており、労働者全体の給与平均298,500円を上回っています。

平均給料比較
平均給料比較
(参考:平成27年度賃金構造基本統計調査)

看護師のボーナスは平均832,700円

看護師の年間ボーナス支給額の平均は832,700円で、賞与についても、他の職種と比較して高いことがわかります。

ボーナス平均額比較
ボーナス平均額比較

看護師の平均年収は4,783,100円

看護師の平均年収は4,783,100円です。労働者平均の4,195,200円と比較しても、看護師の年収は高めです。

平均年収比較
平均年収比較

パート看護師の時給相場

病院の規模で多少の違いがありますが、看護師のパートタイムの平均時給は以下の通りです。

パート看護師の時給平均額

正看護師¥1,685
准看護師¥1,386

(参考:短時間労働者の職種別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)

雇用形態別の給料相場

常勤の看護師について、夜勤ありと日勤のみの勤務形態での給与の平均は以下の通りです。

夜勤ありと日勤のみの平均給料

夜勤あり ¥4,843,365
日勤のみ¥4,213,623

経験年数別の給料相場

初任給の相場 – 大卒と看護学校卒で約7,800円の差

2013年4月の新卒看護師の初任給は、看護系大学卒が204,683円、看護3年課程卒が197,689円です。

全体の約80%の施設では大学卒と看護学校卒の初任給額に差をつけており、その差額は平均7,792円となっています。

新任看護師の学歴別初任給
新任看護師の学歴別初任給
(参考:看護職の賃金の実態

看護師の給料の上昇率は緩やか

年代別の年収の推移をグラフで見ると、若い頃は、看護師の年収が労働者全体と比べても高いのがわかります。

しかし、看護師の給料の伸び率は労働者全体と比べるとゆるやかで、30代半ば頃からは、労働者全体の年収の方が高くなっています。

つまり、女性労働者の中では看護師は給料が高いですが、労働者全体で比べると、看護師の給料の伸び率は低いといえます。

年齢別の年収推移
年齢別の年収推移
(参考:【2020年最新版】ナースが一生で稼ぐお給料、いくらくらい?

看護師の給料の特徴 – 所定外給与の割合が高い

看護師の給料は、基本給はそれほど高くはなく、所定外給与の割合が高いという特徴があります。

所定外給与とは、所定の労働時間外の勤務に支払われる給与で、一般的に「○○手当」の名称で呼ばれます。

代表的な所定外給与としては、残業手当、夜勤手当、休日手当などがあります。

看護師の給与明細と所定外給与
看護師の給与明細と所定外給与
(参考:5分で分かる給与明細)

ホントに高い?看護師の給料の実態

看護師は女性の職業で20番目に高収入

以下の表は、厚生労働省が発表した職種別の給与額をもとに、女性の年収を職種別にランキングで表したものです。

女性の職種別年収ランキング
女性の職種別年収ランキング
(参考:【2020年最新版】ナースが一生で稼ぐお給料、いくらくらい?

ランキングに掲載されている職業は医者や弁護士など、多くが高収入のイメージのあるものばかりです。

その中で20位に入っている看護師もまた、高収入で安定しているイメージが強い職業です。

67%の看護師が「今の給料に不満がある」

では、看護師さんは自分が受け取っている給料に対してどう思っているのでしょうか?

2012年に日本看護協会が看護師の給料の満足度についての調査結果を発表しました。

看護師の給料に対する満足度の調査結果
看護師の給料に対する満足度の調査結果

この表によると、給料に満足している看護師はわずか25%に対して、給料に「不満」「やや不満」と回答した看護師が全体の約67%を占めています。

(参考:病院勤務の看護職の賃金に関する調査

看護師の給料は、一般的に高いと言われているのにもかかわらず、こんなに多くの看護師が受け取っている給料の額に不満を抱いているのは何故なのでしょうか?

看護師の給料は仕事内容と仕事量に見合わない

給料に対する項目別満足度
給料に対する項目別満足度
(参考:病院勤務の看護職の賃金に関する調査

給料に対する満足度を項目別に見ると、「行っている業務量」「担っている業務内容」に対して、給与の額が「不満」「やや不満」と回答した割合がそれぞれ 67.5%、63.0%と高くなっており、多くの看護師が仕事の内容と量の割に給料が高くないと感じています。

夜勤もして、人の生死をみて、精神張り詰めて仕事をするんです。
何かあったら、患者さんの体調が少しでも悪くなったら、私が何かミスをしたか?と思いながら働くんです。
精神すり減らし働いていることを考えると給料は安いです。

引用:匿名さんの投稿

看護学校の辛さ、勤務の辛さ、業務経験と技術がなければ散々罵倒される、女ばかりでいじめもあり、責任ばかり重くて離職率が高い。
食事中でも排泄の話題が出てもオペ後の臓器を見ても平気になる…そんなことが日常的なんです。
勿論、やりがいはあります。
でも給料は見合っていません。

引用:なすオバチャンさんの投稿

自立できる給料やけど、夜勤手当少ない。
なにかあったらすごい訴訟。
人数すくないし、やること多いしでも給料こんなもん
一部上場企業に勤務して、看護師になった友達が給料安い。
前の職場の方がよかった。
こんなにしんどいことないもの・・・
やはり安いのだと思いました。

引用:夜勤手当もっと欲しい。さんの投稿

看護師が給料アップをするための3つの方法

それでは、満足できる高い給与を手に入れる為に、どうすればいいのでしょうか?

ここでは、看護師が給料をアップさせるために考えられる3つの方法をご紹介します。

スキルアップをする

看護師としての専門性を高めることで給料アップを目指す方法もあります。

しかし、スキルアップをしたからと言って、必ずしも給料が大きくアップするとは限りません。

給料を上げる目的でスキルアップを目指すのなら、どの専門性を高めるべきなのでしょうか?

認定看護師・専門看護師になっても給料は大きく上がらない

以下の表では、自院に勤務している専門看護師と認定看護師に対する賃金待遇について、病院に対しておこなったアンケート結果です。

専門看護師の賃金処遇
専門看護師の賃金処遇

認定看護師の賃金処遇
認定看護師の賃金処遇
(参考:看護職の賃金の実態

上の表でわかるように、専門看護師や認定看護師に対し、給与の面で優遇する施設は全体の半数以下です。

一方、2割程度の施設では、賃金への上乗せではなく資格手当を支給しています。

手当額の平均は、専門看護師1万832円、認定看護師9,773円となっています。

認定看護師や専門看護師になって給料アップを目指すためには、まず、自分の勤務している病院が、認定看護師や専門看護師に対して賃金や手当の優遇をしているかどうかを確認しておく必要があります。

認定看護師と専門看護師の給料や働き方について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

助産師になると年収が50万程度アップ

資格別に給与額を比較すると以下のようになっています。

看護師の職種別平均給与

 月収時給
正看護師¥4,843,365¥1,608
准看護師¥4,301,326¥1,461
助産師¥5,314,821¥1,830
保健師¥4,148,666¥1,700

(参考:ナースなワタシのお給料)

最も年収が高いのは助産師で、正看護師と比べると50万円程度高い収入を得ています。

一方、保健師の場合はほとんどが日勤であるため、夜勤手当がつかず、給料は正看護師と比べでも高くはありません。

そのため、給料アップを目的に資格取得を目指すのなら、保健師資格よりも助産師資格を取得するのがオススメです。

助産師資格取得には助産師学校に通う必要がありますが、勤務先が学費の一部を負担してくれる「助産師支援制度」がある病院もあります。

勤務先で資格取得についてどのようなバックアップをおこなっているか確認をしてみましょう。

管理職を目指す

時間はかかりますが、昇進することによって昇給を目指すのも給料アップの一つの方法です。

役職別の看護師給料比較
役職別の看護師給料比較
(参考:看護職の賃金の実態

一般的に、管理職の給料は、病床規模が大きい施設で高くなる傾向があります。

病床規模別看護部長の給与額
病床規模別看護部長の給与額
(参考:看護職の賃金の実態

管理職になるためには、以下のような条件が必要になります。

昇進の条件
昇進の条件
(参考:看護職の賃金の実態

昇進の条件としての主なものとしては能力や上司からの評価が挙げられます。

しかし一方、「ポストの空き」がないと昇進できない施設も多くあるため、自分の努力だけでは昇進できないという現実もあります。

給料の高い職場に異動・転職をする

給料の高い職場で働くことは、給料をアップするために、最もスピーディで効果的な方法です。

ここでは、どのような職場で働けば高い給料を受け取ることができるのかをランキング形式でご紹介しますので、職場選びの参考にしてみてください。

最も給与が高い施設は救急外来

施設別給料ランキング

1位救急外来¥5,015,835
2位手術室¥4,890,612
3位病棟¥4,838,578
4位介護¥4,780,630
5位外来¥4,749,671
6位透析¥4,614,691

(参考:ナースなワタシのお給料

また、みんなの看護部では、様々な働き方での看護師の給与についての記事を掲載しているので、こちらも参考にしてみてください。

給与の高い地域は東京都と山梨県

厚生労働省による賃金統計から、地域別の看護師の給料がわかります。

給与の平均が最も高い都道府県が東京都の374,300円で、最も低いのが280,200円の宮崎県です。その差は約94,000円です。

地域別給与額ランキング

 給与額
1位 東京都¥5,454,800
2位 山梨県¥5,158,500
3位 千葉県¥4,949,200
4位 奈良県¥5,076,400
5位 京都府¥4,901,100
6位 埼玉県¥4,753,700
7位 大阪府¥4,914,700
8位 三重県¥4,949,200
9位 徳島県¥4,968,600
10位 福島県¥4,806,100

地域別年収ランキング

 年収額
1位 東京都¥5,454,800
2位 山梨県¥5,158,500
3位 奈良県¥5,076,400
4位 福井県¥4,977,000
5位 徳島県¥4,968,600
6位 千葉県¥4,949,200
7位 三重県¥4,949,200
8位 神奈川県¥4,933,500
9位 香川県¥4,926,600
10位 岡山県¥4,925,400

年収の平均でも最も高いのが東京都の5,454,800円で、最も低いのが鹿児島県の4,023,000円となっており、その差は約140万円以上となります。

平成27年賃金構造基本統計調査

転職で給料アップを目指す時の注意点

①高過ぎる給料の求人には要注意

給料アップを目指して転職する場合、給料額は職場選びの大事なポイントですが、あまりにも高額な給料を提示している求人には注意が必要です。

中には、労働環境が悪く、スタッフがすぐに退職をするため常に人手不足である病院が、高額な給料で人集めをしているケースもあります。

給料額につられてブラック病院への転職をしないためには、施設や地域ごとの給料の相場を知っておくことと、求人先の職場の情報を調べることが大事です。

転職を成功させるための方法については、こちらの記事をご覧ください。

②入職を決める前に給与交渉をする

給与交渉をすることで、求人票に提示されている給与額をさらにアップできることもあります。

求人応募や面接、病院見学等のタイミングで、入職前に病院の採用担当者に給料額を上げることができないか交渉をしてみましょう。

採用担当者と直接給料交渉をすることに抵抗がある方には、転職サイトの利用がオススメです。

転職サイトを通して求人応募をおこなえば、担当のコンサルタントが、病院との給料交渉を代行してくれます。

給料だけじゃない!ずっと看護師として働くために大切なこと

給料さえ高ければ満足できる?

これまで給料アップの方法について紹介してきましたが、実際に行動に移す前にあなたに考えて欲しいことがあります。

それは「給料さえ高ければ満足できるのか?」ということです。

今あなたが働いている職場で、給料アップさえすれば満足することができますか?

高給与ならこんな職場でも満足できる?
  • 興味のない分野
  • 残業続きでも働けますか?
  • 休みが少ない
  • 人間関係が悪い
  • 休憩をとる暇もないほど忙しい
  • やりがいがない

看護師不足が深刻な現在、どこの病院でも人手不足の問題を抱えています。

そのため、多くの看護師の方が、膨大な業務量や過剰な責任の重さを抱えています。

そのような日々を送っている看護師さんが「こんなにも大変なのだから、もっと高い給料をもらってもいいんじゃないの?」と、今の職場への不満が給料の不満へとつながっているのではないでしょうか?

例えば、給料さえ高ければ以下のような点にも目をつぶって働くことができるでしょうか?

上のチェックポイントで、どうしても我慢できないものがあるのなら、もしかして今あなたが感じている「給料が安い」という不満は給料ではなく、職場や働き方にあるのかもしれません。

看護師が仕事選びで重要視しているのは「働きやすさ」

以下の表は、転職サイト「看護のお仕事」が、転職を希望する看護師に対しておこなったアンケート結果です。

看護師が転職で実現したいこと

1位人間関係が良い職場で働くこと66%
2位休日数を確保できること45%
3位給与を上げること34%
4位子育てがしやすい環境で働くこと34%
5位残業の少ない職場で働くこと33%

(参考:ナースときどき女子

この結果によると、転職で「給料アップ」を目的にしている看護師は、約3割程度にとどまります。

それ以上に「人間関係」や「休日」など、「働きやすさ」を転職の目的としている看護師の方が多くいます。

先輩看護師がお金よりも大切にしていること

多少きつい仕事でも、人間関係が良ければ皆で助け合いながらやっていけます。
人間関係が悪いと、どんなに給料良くても職場にいる時間が耐えられなくなります。

引用:匿名さんの投稿

「職場」というのは、どんなに給料がよくても、待遇がよくても「自分にとって働きやすい環境」「自分が必要とされている職場」が一番長続きすると思います。

引用:KOUさんの投稿

休日はしっかりとれてるし、研修は3回までは出張扱い。
ほとんど定時であがれます。
お給料の額より、こういう面がすごくありがたいです。

引用:匿名さんの投稿

看護師のやりがいや仕事との向き合い方について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

おわりに

労働の対価として受け取る給料で生活している私たちにとって、給料の額は大きな問題です。

看護師は高給与の職業といわれていますが、仕事のハードさや責任感の重さなどを考えると、今の給料は「割に合わない」のかもしれません。

この記事で紹介している「給料をアップさせる方法」を実践することで、あなたが満足のいく給与を得ることができたら幸いです。

ただし一方、高給与というだけで働き続けるといつか辛くなってしまうかもしれません。

看護師として長く働き続けるためには、給料額だけを考えるのではなく、職場に対して譲れない条件と妥協できる条件を考えることも大切です。

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