良さそうな求人が見つかって応募してみたはいいけれど、提出を求められた履歴書の志望動機って一体なにを書けばいいんだろう……。

面接でも聞かれそうだから、あんまり適当なことは書けないしなぁ……。

そんな状態で手が止まっていませんか?

実は志望動機には「型」があります。

その型に沿って書くことで、文章を書くことに苦手意識を持っている人でも、採用担当者に響く志望動機が書けるようになります。

そして、そのときの印象は採用後も続くのです。

この記事では、採用されたあとも好印象が続く志望動機の書き方をお伝えします。

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看護師の志望動機に求められるものとは?

看護師に求められる志望動機も一般企業と変わらない

一般企業であっても、看護師であっても志望動機を書く上で押さえるべきポイントは同じです。

なぜなら、採用担当者は次のような看護師を求めている点で共通しています。

看護師に限らず、一般企業の採用担当者でも「当社ではこれらの要素は不要」と言える採用担当者はまずいないと思います。

採用担当者が求める人材像
  1. すぐに辞めない人
  2. 即戦力、新卒であってもできるだけ早く一人前になる人


昨今、看護師不足のため、他の職種に比べれば採用されやすいほうだと思います。

しかし、だからといって必ず採用される保証はありません。

看護業界で足りないのは“人”ではなく“人材”だという方もいるくらいで、採用側も看護師資格を持っていれば誰でも良いと考えているわけではないのです。

志望動機は、採用担当者もかなり重視する項目なので、選考で落とされたくなければ、心して準備を行う必要があります。

志望動機はその人の仕事に対する姿勢や熱意を判断している

志望動機は採用の判断に使用されるものです。

採用担当者は、応募者が提出した情報(履歴書など)から採用に値する人材かどうかを見極める必要があります。

中でも、志望動機はその人の仕事に対する姿勢や仕事力を見抜く材料となるため、採用担当者が特に重視する項目です。

正確な表現を使えば、履歴書や志望動機だけで、良い人材かどうかは分かりかねる場合が多いです。

しかし、良くない人材というのは分かります。

誤字脱字、文章力、表現力など、履歴書の他の項目に比べ自由度が高いため、応募者の人柄や仕事に対する姿勢が出やすくなります。

字が汚い、文章がよく分からない、などと判断された場合は面接に至る前の書類選考で不採用とされることもありえます。

よくある勘違い=志望動機はあなたが良いと思った理由を述べるものではない

次の志望動機を見てください。

ダメな志望動機例

私が貴院を志望した理由は、貴院の理念である「患者様の立場に立った医療の提供」という点に深く共感したからです。

また、貴院は教育・研修体制が充実していることにも魅力に感じました

研修や先輩看護師から看護師として必要なスキルや心構えを教えていただき、早く一人前に看護師になれるよう努力していきたいと思います。

この志望動機の下線部分は、志望先の病院について“応募者が”魅力を感じた点を述べています。

志望動機で一番多いのが、このような志望動機です。

志望動機という言葉から、あなたが“志望した動機”だと勘違いしがちですが、本来志望動機で見られているのはあなたが感じたメリットではなく、採用側があなたを採用するメリットを述べることなのです。

あなたが志望先にどう貢献できるかを書く

志望動機に書くべき内容は、

  • 自分はどんな人か?
  • なぜ、この業種なのか?
  • 数ある求人の中で、なぜ、当院なのか?

といった採用担当者の興味・関心に答えとなる内容です。

ですから、最低でも「自分には◯◯といった強み(長所、スキル、経験など)があり、だから貴院に貢献できる」といった内容で書く必要があります。

採用は他の応募者との比較を前提に行われるものです。

自分が採用に値する人材であることを理解してもらう必要があるのです。

書き終えることを目標にしない

多くの人が文章を書くことに苦手意識を持っているため、志望動機を書き終えることに目標が置かれています。

ですから、書き終えた瞬間にミッション完了です。

読み返して誤字脱字をチェックするならまだよいほうで(実際に提出される志望動機には誤字脱字が意外なほど多いのです……)、内容のチェックはほとんど行われません。

応募書類を提出することがゴールではなく、採用に至ることがゴールだと思います。

せっかく時間をかけて書くのですから、採用担当者にどううつるかを確認しましょう。

よくあるダメな志望動機TOP5

教わる気満々の受け身タイプ

受け身な姿勢
01

特に新人看護師に多いのですが、教育体制や研修などを目当てにしていたり、手取り足取り教えてもらうことに頼ろうという姿勢が志望動機からうかがえるケースです。

確かに教育体制や研修体制が充実していることは、何かと不安の多い新人看護師にとっては魅力的にうつります。

しかし、これを志望動機に書いてしまえば、自ら組織に対して貢献しようとしない受け身な人だと見られてしまいます。

学校はお金を払って勉強する場ですが、社会人はお金をいただいて、組織や社会に何らかの貢献をする場です。

NGな表現例
  • 教育・研修体制が充実していることに魅力を感じました
  • 貴院で看護師としての基礎を教えていただきたい

理念、スローガン受け売りタイプ

受け売り
02

「貴院の理念に大変感銘を受けました」という引用にひとこと感想をつけるという内容です。

理念やスローガンを引用することがNGなのではありません。

感銘を受けたなら、何がどのようにあなたの心に響いたのかを掘り下げて書くべきです。

また、自分の実体験と関連づけて書くことができれば、採用担当者にあなたの人間像がより伝わりやすくなります。

NGな表現例
  • 貴院の理念に大変感銘を受けました
  • 「◯◯~」という行動指針にとても共感しました

給与・待遇などの自己中タイプ

給与待遇
03

金の切れ目が縁の切れ目ということわざがありますが、給料が目当ての人は、もっと給料が良いところがあったら去っていくというのが採用側が共通して持っている考え方です。

NGな表現例
  • お給料をアップしたく転職を決意しました
  • 貴院は福利厚生が充実しており……

地元で働きたい・家から近いなどのマト外れタイプ

自分中心
04

地元で働くこと、家から近いことに触れて書くことがすべてNGなわけではありません。

採用担当者があなたを採用するメリットとして受け取れるならば、書いてもよいでしょう。

ただし、よほど慎重な書き方をしないと、自己中心的な人だと判断されること場合もあります。

おべんちゃら、褒めちぎるだけの勘違いタイプ

ゴマすり
05

志望先を褒めるだけの志望動機は思いのほか多いです。

「教育制度が充実していて」「素晴らしい理念を掲げており」「●●の分野で最先端の技術を誇り」のようにホームページやパンフレットを見れば誰でも書けるような単に長所を述べただけのものです。

褒めれば、採用担当者が喜び、良い印象を与えると考える人が多いのかもしれませんが、こういった志望動機を採用担当者はうんざりするほど目にしており、逆効果になります。

面接で質問すると中身がないのがはっきりバレます。

ダメな志望動機に共通する点とは?

「採用担当者にどう映るか?」という視点が抜け落ちている

「志望動機」という言葉が誤解を招きやすいのか、大半の志望動機は応募者自身のことばかり書かれています。

採用はよく結婚やプロポーズに例えられますが、採用担当者の視点から見てみればオカシイことがよく分かります。

【参考】志望動機はプロポーズに例えると分かりやすい

  • 貴院の理念に強く共感した→「あなたの考えに強く共感した」
    大したお付き合いもない人からこのように言われたら、「あなたに私の何が分かるというの?」くらいに思うかもしれませんよね。ただ、共感した、感銘を受けたというのは採用担当者にとってそのくらい無責任な発言に聞こえる可能性があるのです。
  • 研修制度が充実している→「あなたは私にとことん尽くしてくれそうな人だ」
    人によってはとことん尽くしたい人もいるかもしれませんが、もたれかかるように一方的にお世話になる気が満々の人に魅力を感じる人は少ないと思います。採用側は組織に尽くしてくれる人を求めています。
  • 家庭と仕事のバランスがとれそう→(あなたの生活はともかく)私の生活はとても充実しそうです
    この人は自分のことしか考えていないのか……と、とても自分勝手な人に感じると思います。
  • 給料が高い、待遇が良い→あなたは年収が高くて、ルックスも良くて……
    同じように、自己中な人だな、と感じるでしょう。

相手の立場(採用担当者)に立ってみればおかしいことがよく分かるのですが、このような志望動機があふれかえっているのが現状です。

採用がプロポーズに例えられるのは、採用者と採用側がお互いの納得の上で成立するものだからです。

採用担当者は志望動機から、あなたがどのような人物かを想像しながら読んでいます。

自分の志望動機からどのような人物像が見えてくるか、意識して読み返してみましょう。

他の応募者と比較されているという自覚がない

採用は多くの場合、他の応募者と比較されます。

これも多くの応募者が抜け落ちている視点です。

仮に応募者が一度に来ていなくても、採用担当者は過去の応募者を見る中で無意識の合格ラインを持っているものです。

ですから、いずれにしても比較されるには変わりないのです。

採用担当者は、どれもこれも同じような内容のありきたりな志望動機にうんざりしています。

あなたは様々な応募者の中の1人にすぎないことを念頭に置きましょう。

逆に言えば、その視点を持ち、他の応募者より少しでも優れた志望動機を書くことができれば、優位に立つことができます。

その好印象は面接にも引き継がれるので、採用にもぐっと近づきます。

違う話題がいくつも出てきて、内容が薄い

文章に苦手意識を持っている人にありがちなパターンです。

字数を埋めるために、いくつかの話題を1文ずつ書き、つなげるものです。

以下の志望動機は、理念、教育体制、決意といった3つの内容が関連性しあうことなく、独立して書かれており、内容が薄い印象を与えてしまいます。

ダメな志望動機例

私が貴院を志望した理由は、貴院の理念である「患者様の立場に立った医療の提供」という点に深く共感したからです。

また、貴院は教育・研修体制が充実していることにも魅力に感じました。

研修や先輩看護師から看護師として必要なスキルや心構えを教えていただき、早く一人前に看護師になれるよう努力していきたいと思います。

もう1つ多いパターンとしては「キーワード+感想ひとこと」というものです。

何らかのキーワードを引用してきても、自分なりの解釈や受け止め方を別の言葉で表現しないので、キーワードがほとんど変化しないまま何度も繰り返されます。

以下の例は理念に含まれているキーワードの「優しさ」が何度も繰り返されています。

同じ内容の繰り返しは採用担当者に社会人として文章力が不十分という印象を与えます。

ダメな志望動機例

貴院理念の1つである「優しさを感じる医療」にとても感銘を受けました。私も患者様に対し、優しく接することがとても大事だと考えています。

私も貴院の一員として患者様に優しさを感じさせる医療を実践し、地域医療に貢献したいと考え、志望させていただきました。

例えば同じように理念の「優しさ」に触れる志望動機を書くとしても、以下のように自分なりの視点を取り入れることで文章に深みが加わります。

良い志望動機例

貴院理念の1つである「優しさを感じる医療」にとても感銘を受けました。

私が誰かに優しさを感じるのは、その人が自分のことを本当に理解してくれていると心から感じるときです。

これと同様に医療を通し患者様が優しさを感じられるようになるには、私が患者様の良き理解者となる必要があると思います。

常にそのような意識を持ち、貴院の一員として、「優しさを感じる医療」を実践し、貢献できる看護師になりたいと思っています。

良い志望動機とは?

良い志望動機とは採用担当者が「ぜひ面接で会ってみたい」と思うもの

良い志望動機とは、採用担当者にあなたという人物の魅力を伝え、面接でぜひ会ってみたいと思わせる志望動機です。

ですから、志望動機は、あなたを採用すべき理由や採用に値する人物像であることが分かりやすく語られている必要があります。

良い志望動機の文章表現

良い志望動機に使われる文章表現は、ダメな志望動機で解説した表現方法と対極になる表現方法です。

まずは悪い表現方法を知り、徹底排除することが第一歩です。

その上で、以下のような姿勢で志望動機を書きましょう。

主体性のある(⇔受け身的な)

主体性というとイメージしづらいかもしれませんが、受け身の反対と考えれば理解しやすいと思います。

自主性や積極性とも共通する部分です。

「教えてもらう」と「学ぶ」は同様に勉強することを意味しますが、前者は受身的なイメージなのに対し、後者は自分から勉強するというイメージとなり、受け取る印象がまったく違います。

具体的な(⇔抽象的な)

下記の志望動機の例は、「理念に深く共感した」という内容を、自分のエピソードをまじえて具体的に表現しています。

志望先の理念を応募者なりの視点で捉え、実体験として語ることで応募者の人間像がイメージしやすくなりました。

ダメな志望動機例

私が貴院を志望した理由は、貴院の理念である「患者様の立場に立った医療の提供」という点に深く共感したからです。

また、貴院は教育・研修体制が充実していることにも魅力に感じました。

研修や先輩看護師から看護師として必要なスキルや心構えを教えていただき、早く一人前に看護師になれるよう努力していきたいと思います。

良い志望動機例

私は気配りができる人間だと思っています。

看護師としての前に、人として気配りができることは、貴院の掲げる「患者様の立場に立った医療の提供」を実践する上で大切な要素と考えています。

私は看護実習中、患者様から発せられる言葉からだけでなく、家族様から見聞きしたこと、患者様の病態や心境から患者様やご家族が必要としていることを自分なりに考え、先回りし行動することを心がけてきました。

今後もこの心がけを大切にしながら看護師として必要なスキルを身につけることで、貴院に貢献できる看護師を目指したいと思い、志望させていただきました。

組織にとって価値のある(⇔自己中心的な)

採用担当者が求めるのは、組織にとって有益な人材です。

履歴書の項目の中で唯一、自由な記述が認められている志望動機では、悪意はないにせよ自分のことしか書いてない、自分のことにしか興味がないといった内容を語ってしまうのは非常にもったいないことです。

謙虚な(⇔傲慢な)

採用担当者が求めている人材を誤解を恐れずに表現するならば、いわゆる「仕事ができる人」です。

仕事ができる人は、自分は仕事ができるとは表現しません。

謙虚な表現の中に、「仕事ができるそう」「熱意を持っていそう」と採用担当者が思えてしまう要素を盛り込むのです。

先に紹介した良い志望動機の例では、患者様の立場に立ち、ひたむきに仕事に取り組む応募者の人間像が見えてくるのではないでしょうか。

良い志望動機は着眼点が良い

次の志望動機を見てください。

良い志望動機例

私が貴院を志望した理由は、患者様にとって最良の医療を提供することを非常に大切にされていると感じたからです。

貴院のホームページに患者様の満足度調査が掲載されていました。

患者様にどのように受け取られているかという客観的な判断を、今後提供する医療やケアの質の向上につなげていらっしゃるのだと思います。

私も自分自身を客観視する機会をとても大切にしています。看護師として働く中で、患者様から見た私、チーム内での私など、他者の視点で自分を省みることが大切だと思っています。

自分を客観的に見つめ、行動を改善していくことが自分の成長への近道だと私は考えています。

私の普段の心がけが貴院の取り組みにも活かせるのではないかと考えております。

この志望動機は「患者様の視点に立った看護を行いたい。だから貴院を志望した」といった動機としてはよくあるものだと思います。

しかし、志望動機として語られているのは「客観視することの大切さ」です。

志望先の病院に患者様の満足度調査を見つけ、それと自分が普段から大切にしている「客観視=他者からの視点」をうまく関連づけて語っています。

応募者との接点を感じると、採用担当者としてもまだ会ったこともないのに妙な親近感を持つこともあります。

このように独自の着眼点を持ち、自分と志望先との接点を語るような志望動機は、採用担当者の目を引きます。

志望動機をどうしたらいいのか自分でわからない時

  • 志望動機が上手く考えられない
  • 志望動機を考えてみたものの、自分の書いた志望動機が良いのか判断できない

等、いざ志望動機を考えてみるとこんな悩みを抱える人も多いと思います。

そんな人は、転職サイトの転職サポートを利用するのも一つの方法です。

転職サポートは下記のようなメリットがあります。

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特に、忙しくて転職活動に時間が割けない人や、自分の就職活動に自信がない人にはおすすめです。

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本記事の最後でナース目線できちんと寄り添ってもらえる転職サイトを紹介しているので、参考にしてみてくださいね。

志望動機を書く

シンプルに志望動機を書く方法をご紹介します。

項目ごとに箇条書きで思いつくものを挙げ、それをつなげることで一貫性のあるストーリーにします。

志望動機のシンプルな型

  1. あなたはどういう人か?(ビジョン、長所、スキル、経験)
  2. どうしてこの術科・施設なのか?
  3. なぜ当院なのか?

① あなたはどういう人か?(ビジョン、長所、スキル、経験)

志望動機に盛り込むべき要素である「①あなたはどういう人か?」を伝える上でビジョンやなりたい看護師像は有効に機能します。

また、なぜそのような看護師を目指すに至ったかの理由を実体験などのエピソードと一緒に盛り込めると採用担当者はあなたという人物をイメージしやすくなるので非常におすすめです。

私はこうこうこういう人物です
  • 私は◯◯という看護師を目指している。
  • 私は自分の強みは◯◯だと思っています。
  • 私は◯◯病院で急性期病棟を5年経験している。

② どうしてこの術科・施設なのか?

自分にはなりたい看護師像があり、だからこの業種で学び、スキルを身につける必要がある、その延長線上に私の目指す看護師像がある、というように整合性のとれる動機を見つけてみましょう。

△△科で××ということをしたい
  • 大学病院で最先端の医療現場で看護を学びたい。
  • 地域を支える医療従事者になりたい。
  • 助産師として出産を控え、不安な気持ちの妊婦さんの支えになりたい。

③ なぜ、当院なのか?

なぜ今回の求人に応募しようと思ったか箇条書きで書き出してみましょう。

自分の希望する部分に当てはまる部分があったから応募を決めたはずです。

応募した理由は、1つでないことが多く、複数の理由がからみ合っている場合がほとんどです。

ピックアップした項目に今度は優先順位をつけてみましょう。

その中から志望動機に書くべきものは、採用側にとってメリットのあるものになります。

給与や待遇のように自分にしかメリットのないものは外しましょう。

下線のあるものが採用側にもメリットがありそうなもの(例)
  • 給料が良い
  • 通勤時間が短い
  • これまでの経験が活かせそう
  • 明るそうな雰囲気(ホームページの写真)
  • 休みが多い、取りやすそう
  • 残業が少なそう
  • 経営方針に共感できる
  • 最先端の医療現場

このように箇条書きでピックアップした中から「①あなたはどういう人か?」「②どうしてこの術科・施設なのか?」の内容と結び付けられそうなものを選ぶと志望動機に一貫性が出ます。

だから、貴院でぜひ働きたい
  • ◯◯という最先端の医療を提供する貴院で働きたい
  • 生まれ育ったこの街で長年にわたり◯◯科を営む貴院で働きたい

つなげて一貫性のあるストーリーに仕上げる

結論を先に

「③なぜ、当院なのか?」を最初に簡潔に述べます。

採用担当者にもっとも伝えたいことを伝えたいことを最初に伝えることで、何が伝えたいのか分からない文章を避けることができます。

理由や経緯を最初に述べると、結論として述べるべき志望動機が何なのか分からない文章になってしまうことがよくあります。

ですから、まずは「私が貴院を志望した理由は◯◯です」といった表現で最初に志望動機(結論)を述べましょう。

次にその理由を具体的に述べる

「①あなたはどういう人か?」→「②どうしてこの術科・施設なのか?」の部分は「③なぜ、当院なのか?」に結び付けられるものを選び、一貫性を持ってつなげます。

このとき大切なのが、志望動機に結び付けられる①②を選びましょう。

①②③がまったく関連しあわない内容になると、話題があっちこっち行ってまとまりのない文章になってしまいます。

抽象的な表現のオンパレードでありきたりな志望動機が完成している

ここまでの説明した流れに沿って完成した志望動機は一貫性のある内容ではあっても、(失礼ながら、恐らく)ありきたりな表現のオンパレードになっていると思います。

このようにありきたりで、抽象的な内容の志望動機は、採用担当者はうんざりするほど目にしているので、まったく響きません。

以下のような表現が含まれている場合は要注意です。

  • 人と接するのが好き、コミュニケーションが得意
  • 頑張りました
  • 得意です
  • 努力を惜しみません
  • コツコツ努力を重ねる
  • 明るく前向き
  • チームワークを大切にする、協調性がある
  • 諦めずに最後までやり遂げる
  • とても、非常に、すごく、たくさん、多くの、様々な

抽象的な表現を具体的な表現に直す

「努力を惜しまない」を具体性のある表現に直してみる

「努力する」とは目標達成のために、継続して力を注ぐことです。

やってて楽しいことを続けることは努力とは言わないでしょうから、「目標達成のためなら誰もが嫌がることを地道に継続することができる」と表現することができます。

「努力を惜しまない」と行ってしまえばさらっと流されそうなひと言ですが、後者の表現を使うことで、嫌なことでもコツコツと地道に積み上げる人間像がより具体的に想像できる表現になっています。

誇れるような志望動機がない場合は…?

そもそも志望する動機がないという声をときどき聞きます。

実は、その人が意識していないだけで、志望先を選んでいる動機(理由)は必ずあります。

もし、志望する動機がなければ、くじ引きで抽選した職場で働くことになってもよいということです。

それが嫌な場合は、他よりもその志望先が良い理由が必ずあるはずです。

その場合、この求人のどこが良かったと考えるよりも、どこが他の求人より悪くなかったと考えるほうが理由を拾いやすいかもしれません。

さらに良い志望動機を書くために

勝ち抜ける志望動機?振るい落とされない志望動機?

あなたが今書こうとしている志望動機は、書類選考で振るい落とされなければよい志望動機でしょうか?

多数の応募者の中で勝ち抜かなければいけない志望動機でしょうか?

看護師業界は、人材不足からそれほど優れた志望動機ではなくても採用まで至るケースも少なくありません。

しかし、それは結果的にそうなるだけであって、今あなたが応募した求人でそうなるかどうかは誰も分かりません。

また、その志望動機を書いている志望先への志望度もご自身しか分かりません。

絶対に落としたくない求人であればベストを尽くした志望動機を書きましょう。

自分の置かれている状況を知り目標を設定する

自分の置かれている状況を整理し、志望動機にどれだけの質が必要か目標を定める必要があります。

看護学校・大学の競争率が高ければ、課題とされている小論文も優れた内容を書いて高得点を狙わなければならない状況と同じです。

採用の場合は採点こそありませんが、採用担当者の頭の中で行われている暗黙の採点はあります。

採用のハードルがどのくらい高いのかで求められる志望動機の質の高さも変わってくると言えます。

競争率が高い場合

人気の求人などの場合です。

応募者が多数いるため、ときには書類選考が行われることもあります。

他の応募者によりも有利な経歴等があれば話は別ですが、ない場合は他の応募者よりも採用担当者にアピールできる優れた志望動機を書き、差をつける必要があります。

応募者自身にマイナス要素がある場合

マイナス要素というと大変失礼な言い方ですが、多くの場合、応募者自身がそのような意識を持っています。

小さな子供がいる、転職回数が多い、短期間で退職した経歴がある、ブランクがあるなどです。

実際にこのような条件を持つ人は、採用担当者にとってもマイナス要因として働くことも多いです。

他の応募者よりマイナススタートですから、他の応募者よりも良い志望動機を書いて加点を取りに行く必要があります。

履歴書の志望動機欄(200~300文字)で差別化するのは難しい

勝ち抜く志望動機である場合、どんなに文章が得意な人でも200~300文字程度しか書けない履歴書の志望動機欄だけで差別化するのは難しいと言えます。

このような場合、おすすめしているのは別紙A4サイズ1~2枚に志望動機と自己PRを書き、添付する方法です。

看護業界ではそこまでする人は少ないため、採用担当者に大きくアピールすることが可能です。

もちろん、内容が伴うことが大前提ですが。

病院・施設の特徴と採用担当者の心の内を知る

恋愛でも結婚でも意中の相手を射止めるには、相手がどんな人か知る必要があります。

採用でもそれは同じで、採用担当者がどんな人を求めているか深く知る必要があります。

この章では、採用担当者を知ることに重点を置き、そのうえで採用担当者に刺さるメッセージを届ける方法について解説します。

採用担当者に共通する求める人材像

採用担当者には共通して求める人材像があります。

採用担当者がどのような視点で応募者を見ているのか、基本的な内容について見ていきます。

すぐに辞めない人

すぐに辞めてしまう人を採用してしまうことは、採用側にとって金銭的に大きな損失です。

病院といえども、その多くは民間企業であり、経営上採算がとれなければなりません。

採用というのは雇う側にとって投資です。

採用担当者が採用に費やす時間には人件費というお金がかかります。

教育担当者が採用した人を育成する研修にもお金がかかります。

採用は採用者に支払う給料以外にもたくさんのお金がかかっているのです。

どんなにスキルが高い人であっても、採用してからその職場のやり方を身につけるためには時間を要します。

その間、採用側は給与という形で、お金を先出しすることになります。

その採用者が仕事に慣れ、機能しはじめてようやく給与に見合う仕事ができるようになります。

そこから先出ししたお金を回収していくのです。

新人ならなおさらチームの一員として機能するまで長い時間がかかります。

経営上の話だとピンと来ない人もいるかもしれませんが、せっかく一生懸命、指導してきた後輩がなんの配慮もなく突然辞めてしまったら、今までの努力はなんだったんだろうと無力感(もしくは怒り)を感じると思います。

このような理由から、すぐに辞めてしまう人というのは、採用担当者が最も敬遠する人材になります。

そして、すぐ辞めていくことに罪の意識がない場合がほとんどです。

即戦力、新卒であってもできるだけ早く一人前になる人

採用が投資ということが理解できれば、採用担当者が即戦力を求めるのも理解できると思います。

また現場レベルでも仕事ができない人がチーム内にいれば、チームのメンバーの負担も大きくなるので、貢献度の低い人を採用すれば、マイナス要素が大きいことは容易に想像できると思います。

ですから、採用担当者はできれば即戦力、そうでなくとも早く仕事を覚えて、チームに貢献しようという意識のある人、熱意のある人、仕事を覚えるのが早い人を採用したいと考えるのです。

組織に適合できる人(スキル、人間性)

適合というと様々な捉え方があると思います。

これは採用側の業態(病院、クリニック、介護施設など)によって何を求めるか変わる場合もあります。

スキルや経験であることもあります。

新卒採用ではスキル・経験は求められませんので、熱意、人柄、コミュニケーション力、学校時代の成績などが考えられますが、何を重視するかは組織によって異なります。

採用の決済権を持つ人物を知る

看護師を採用する病院・企業の主な就業先には病院、介護施設、クリニックなどがありますが、組織の大きさや提供サービスが異なるので、人材に求める要素も多少変わってきます。

また、採用の決済権を持っている人物も異なります。

ここでは主要な就業先である病院、介護施設、クリニックの3つについて特徴をまとめました。

志望動機を誰に向けて書く必要があるのか、面接は誰が担当するのかなどの参考にしてください。

 ア.病院
採用の決済権看護部長または総務や人事責任者
特徴・看護師配置基準によって入院基本料が大きく変わるため、経営的な側面での看護師確保の必要性がある
・研修制度が整っているため、新卒採用や未経験者での採用も行っている
即戦力を求める度合い低くても可
(新卒採用に積極的)
 イ.介護施設
採用の決済権経営者または総務や人事責任者
特徴・介護施設における看護師配置基準を満たす人材の確保。
・看護師は1人や2人ということが多く、救急搬送の判断も看護師が行うことが多く、責任の範囲は広い
即戦力を求める度合い高い
 ウ.クリニック
採用の決済権医師または事務責任者
特徴・クリニックに明確な看護師配置基準はなく、業務に必要な看護師数の確保を行っている
・少数の看護師のため即戦力であることが求められる
・高度な知識・スキルはそれほど必要ないが、業務は多岐にわたる
・医師などの経営姿勢によって採用基準が大きく変わる
即戦力を求める度合い高い

ホームページから情報を集める

採用担当者の人物像がイメージできたら、次に実際に志望動機を書くための材料を集めましょう。

病院・企業のホームページからどんな看護師を求めているか、理念や経営方針などの情報を収集します。

理念やキャッチフレーズのように目につく情報だけに飛びつきたくなりますが、キーワードだけで理解せず、全体をくまなく読込み、全体像を捉えるよう意識しましょう。

ホームページがない、または情報が少ない場合の対処法

インターネットが普及したこのご時世に求職者に情報提供する姿勢がないことは採用企業として問題がないとは言えません。

しかし、クリニックなどの個人医院ではホームページがないこともあります。

そのときは志望動機に書ける材料がなかなかないという状態におちいります。

とはいえ志望動機は書かなければなりません。

その場合、その業種の社会的な役割を考えてみてください。

地域密着型の小児科クリニックであれば、地域の子供たちやママさんたちが安心して暮らすためのかかりつけ医という役割があるはずです。

提供情報が少ないのは他の応募者にとっても同じですので、想像力を働かせ表現力豊かな志望動機を書ければ、ぐっと有利になります。

採用担当者に響く自分のセールスポイントを知る

志望動機とは、自分という人物の良さを売り込んで(PRし)、買ってもらう(採用してもらう)ためのものです。

当然、自分の良さが分からなければ、売り込むことはできません。

そして、多くの人が自分の強みや長所が分からないと言います。

そこでこの章では自分の長所や強みを発掘する方法をお伝えします。

自分の強みを知る

忙しく仕事をしていると気付きませんが、時間をとって振り返り、じっくりと向き合ってみると、今まで気付かなかった自分の内面や感情が見えてきます。

仕事を通し、自分がどんなときに喜びを感じたり、感動したり、ワクワクしたりする瞬間を知ることで、自分の強みややりがいを知ることができます。

例えば、振り返ってみて患者さんの笑顔を見るときに、なんとも言えない喜びを感じると分かれば、それは志望動機に自信を持って書くことのできる素晴らしいセールスポイントになります。

以下の項目に沿って、自分を振り返ってみましょう。

  • 自分が仕事にやりがいを感じる瞬間
  • 仕事を通して感動する瞬間
  • 仕事をしていてワクワクする瞬間
  • これまでの経歴を通し、何を学び、どんなスキルを身につけてきたか
  • どんな思いを持って仕事に取り組んでいるか

長所リストから自分の長所を探してみる

考えてみると思いつかないが、選ぶとなると自分にも当てはまりそうなものが見えてきます。

行動力がある、集中力がある、創造力がある、決断力がある
適応力がある、持続力がある、直感力がある、観察力がある
計画性がある、想像力がある、発想力がある、吸収力がある
構成力がある、記憶力がいい、好奇心が強い、協調性がある
精神力が強い、向上心が強い
明るい、優しい、真面目、誠実
穏やか、温厚、繊細、几帳面
人当たりがいい、人見知りしない、愛想がいい、社交的
気配りができる、思いやりがある、世話好き
コミュニケーション力が高い、聞き上手、話し上手
リーダーシップがある、チャレンジ精神が強い
責任感が強い、約束は必ず守る
器用、礼儀正しい、何事にも一生懸命取り組む
楽観的、ポジティブ思考、負けず嫌い
こだわりが強い、我慢強い、努力家
気が長い、忍耐強い、根気がある
雄弁、寡黙、冷静、情熱的
友達思い、家族思い、情に厚い
きれい好き、笑顔が素敵、野心を持っている
体力がある、根性がある
数学が得意、英語が得意、○○学が得意
料理が得意、洗濯が得意、掃除が得意

引用:自分の長所が思い付かない人のための長所の例

新卒・転職(中途)における志望動機の違い

志望動機の基本的な書き方は、新卒であろうと中途採用であろうと変わりません。

ただし、求職者に対し採用担当者が知りたいこと、懸念することは異なる場合があるので、その点について解説していきます。

新卒における志望動機-新卒採用に求めるもの

当然ですが新卒には職務経歴はないため、スキルや経験は期待されていません。

志望動機で採用担当者が主に見るのは、働く意欲、仕事に向き合う姿勢や人間性です。

看護実習や看護師を目指したきっかけ、自分がなりたい看護師像などを具体的に表現し、できるだけ採用担当者にあなたがどんな人間なのかをイメージしやすい志望動機にすることが大切です。

採用担当者が新卒採用に求めていること
  • すぐに辞めないか(ストレス耐性があるか)
  • 素直か(話を聞き、吸収する力があるか)
  • 意欲的に働いてくれそうか?
  • 一緒に働きたいかと思えるか?

転職における志望動機-中途採用に求めるもの

中途採用は即戦力であることが求められます。

即戦力になれるスキルや経歴があり、それを活かせる職場であれば、志望動機として盛り込みましょう。

反対に未経験の職場だとしても、看護師としての基礎的な知識・スキルは最低限身につけていることが求められると考えたほうがよいでしょう。

これまで経験したことに必ず活かせる部分があるはずです。

うまく関連付けてアピールできる部分を述べましょう。

以下は、一般的に転職者に求められる要素です。

志望動機からこれらの素養が「ある」ことを判断することは簡単ではないが、志望動機の内容によっては「ない」ことを判断される可能性は十分ありえます。

採用担当者が中途採用に求めていること
  • またすぐに転職しないか?
  • 即戦力になるか?
  • 即戦力ほどではなくとも、どのくらいで戦力になるか?これまでの経験がどのくらい活きてきそうか?
  • 素直か(話を聞き、吸収する力があるか)
  • 意欲的に働いてくれそうか?
  • 一緒に働きたいかと思えるか?

マイナス要素がある場合の志望動機

子育てママの志望動機

志望動機は言葉のとおり志望した動機を述べるものですから、必ずしも子供のことを書く必要性はありません。

子育てママに多いのが、採用に際して子供がいることがマイナスに働くのではないかという懸念だと思います。

もちろん、子育てと志望する動機を関連付けられれば述べてもよいですが、そうでない場合は純粋に志望した動機を書きましょう。

もし、事前に子供がいることを伝えておきたければ、履歴書の他の項目で触れておくとよいでしょう。

子供がいることは履歴書では触れずに、面接で伝えたほうがいい(そのほうが採用される確率が高まる)という意見もありますが、採用される場合はいずれにしても伝える必要があります。

それならば、最初から伝えておき、それ以外の部分であなたの良さを伝える努力をしましょう。

その一番の武器が志望動機といえます。

結婚・出産などライフスタイルの変化による転職の志望動機

こちらも子育てママの場合と同様で、志望動機は転職理由を書くものではありません。

ですから、必ずしも触れる必要はありません。

しかし、前職を退職した理由は、採用担当者も大きな関心を寄せるポイントでもあります。

結婚、妊娠、出産といったライフスタイルの変化が転職のきっかけになることはよくあることであり、採用担当者にとっても、それほどマイナス要素とはなりません。

志望動機の冒頭部分で、触れられるならば触れて書くのもよいでしょう。

採用担当者として不安に思うのは、何が理由で退職したか分からないことです。

ブランクがあり再就職する場合の志望動機

こちらも前の2つと同様に志望動機で必ずしも触れることが必須ではありませんが、ブランク期間にどのようなことをしていたかは採用担当者も気になるところです。

もし、志望動機に合わせて触れられるなら、触れて書くのがベストです。

私には◯才の息子と△才の娘がいます。

育児のため看護職を離れていましたが、患者として病院を訪れる機会を持ち、小さな子どもを持つ母親がいかに地域の医院を頼りにしているかを感じました。

もう一度、看護師として社会に貢献したいと思うようになりました。貴院は長くこの◯◯(地元名)で開業しており、地域のかかりつけ医として、地域住民に信頼されている医院だと伺いました。

私も貴院の一員としてこの地域を支える一助になりたく、志望させていただきました。

第二新卒(既卒)における志望動機

採用担当者にとって第二新卒の方に対する一番の懸念事項は、新卒で入職した病院を短期間で辞めていることです。

採用担当者は、うちに入ってもまたすぐに辞めてしまうのではないか、という不安が頭をよぎります。

志望動機に前職を退職した経緯を盛り込む場合は、退職原因を真摯的かつ客観的に捉え、その反省を踏まえ、今回の志望先でやりたいことを前向きに伝えます。

ネガティブな退職理由の伝え方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

面接での志望動機の答え方

採用担当者にとって、面接における志望動機の内容そのものはさほど重要ではありません。

話し方、姿勢、受け答えなど志望動機に関連した質問することによって、あなたがどんな人物かを知るための機会と捉えています。

面接での志望動機については、別の記事で近日公開予定です。

志望動機チェックリスト

書き上げた志望動機をチェックしてみましょう。

  • 自分勝手な内容になっていないか?
  • 自分オリジナルの志望動機になっているか?
  • 他人でも書けるありきたりな内容になっていないか?
  • 他院でも通用する内容になっていないか?
  • 採用担当者があなたを採用するメリットがあるという視点で書かれているか?
  • あなたという人物像が好感とともにありありとイメージできるか?
  • あいまいな表現がないか、突っ込みどころはないか、面接で説明できるか?
  • 強調ワード(とても、非常に、強くなど)でごまかした無責任な表現はないか?
  • この志望者(自分)は採用する価値があると思えるか?

志望動機に向き合うことそのものが大切

志望動機に求められるのは素晴らしい文章ではありません。

あなたの言葉、あなたの等身大の表現で書かれたありのままの志望動機です。

一見素晴らしい言葉が並ぶ志望動機、借り物の言葉で作られた志望動機は、どこか嘘っぽく写り、百戦錬磨の採用担当者には簡単に見抜かれてしまいます。

大切なのは、自分が本当に“志望する”動機を、自らが理解し、自分の言葉で、自分なりの温度感で表現することです。

くどい言い方になりましたが、多くの人が志望動機に迷うのは、自分のことがよく分かっていないからです。

いや正確には分かろうとしない、考えることから逃げているといったほうがいいかもしれません。

自分の働く理由や選択理由を考えることは、すぐに明快な答えの出るものではないため、逃げずに考えること自体簡単なことでありません。

また、頭の中で見えてきたモヤモヤを文章にまとめるのも、ものすごくエネルギーのいることです。

しかし、働く場を決めるということは、人生にとっても大きなイベントであり、それほどの時間を費やし、熟考する価値のあるものではないでしょうか。

多くの人は起きている時間の大半を仕事に費やします。

もし、なんとなく選んだ職場が苦痛の時間となってしまったら、それはとても不幸なことだと思います。

おわりに

志望動機は採用時に求められたから考え、提出するという単なる課題ではありません。

仮に求められなくても、自分を振り返り、「なぜ働くのか?」「なぜ、その仕事なのか?」「なぜその職場なのか?」という難しくも深い問いから逃げずに考え続けることは、「より良く働くこと」「心豊かに生活すること」に不可欠な要素だと思います。

自分自身が働く動機を深く考え、給与や待遇といった環境による外的動機ではなく、自分の内から湧き出る動機で主体的に働く。

ひいては、これが働きがいにつながり、また、豊かな人生を送ることにもつながります。

この記事をきっかけに“自分らしくイキイキと働ける職場”に巡り合っていただくことを心より願っております。

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