助産師の求人を探している方にとって一番の理想は、自分にぴったりの職場に出会えることでしょうか?
命の重みに直に触れる職業だからこそ、「やりがいをもって前向きに働ける」…そんな病院を探している人も多いと思います。
助産師の中には、「誕生の瞬間に立ち会いたい」と就職や復職を目指す人もいれば、「思うように経験が積めない」「忙しすぎて体力が持たない」などと感じて転職を考える人もいるでしょう。
その人その人にとって得意分野を活かせる求人、希望の条件に合う求人を見つけることができれば、自分の力を発揮して無理なく働くことができるようになります。
助産師の働き方は、職場や人によっても様々です。
初めてでも、忙しくても、まずは自分で始められる、「助産師ならでは」のポイントを押さえた「求人探し」の方法をご紹介します。
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助産師の求人数は求職者の数よりも多い
少子高齢化に伴い、医療・介護の仕事がここ数年でさらに必要とされてきています。
これらの職業はみな、求職者よりも求人数が多く出ていることがハローワークの有効求人倍率の統計を見てもわかります。
「保健師、助産師等」という職業の中には、「看護師、准看護師」も含まれていますが、助産師や看護師は、一般的な事務職・販売職等に比べ、以前より安定して高い求人倍率を保っている職業です。
*参考:報道発表資料/厚生労働省
ただ、出生数の減少に伴い、分娩を行う産科や産科医は全国的に減少傾向にあります。
助産師も同じように減ってきているのでしょうか?
実は助産師の就業者数は、病院・クリニック、常勤・非常勤問わず、年々増加しています。
*参考:看護統計資料室/日本看護協会
理由としては、
- 分娩できる産科が少なく、いつも予約がいっぱいであるため、助産師を増やして対応。
- 核家族化が進む中、妊産婦や家族を支えるマタニティクラスや育児アドバイスなどの助産師のスキルが重要に。
- 多様化するニーズに合わせ、妊婦健診を助産師が行う助産師外来など、仕事が拡大。
- 女性が活躍できる資格・仕事として、助産師を目指す学生や女性が増加。
などが考えられます。
このように、助産師の活躍の場は確実に増えています。
看護師に比べると助産師はその就業者数自体が少ないため、求人などを見ていても少なく感じるかもしれません。
しかし、日本では助産師は女性しかなることができないため、ライフスタイルの変化などに伴う退職や転職も多いのが実情です。
そのため、求人数が求職者数を上回っており、全国的にいつでも求人を募集しているという状態にあります。
自分の希望する職場、理想の働き方を求めて転職することは、決して難しいことではありません。
5つの働き方で見分ける求人探しのポイント
お勤めする場合の助産師の働き方を、希望や悩みによって5つのタイプに分けてみました。
自分らしい働き方ができる職場に就くためにも、自分の希望や状況を整理しておくことは大事なことです。
どのタイプに当てはまるのか、一度チェックをしてみましょう。
求人情報を見るときのポイントがわかってきます。
もっと分娩介助の経験が積みたい
「助産師としての経験が浅い」
「分娩介助の回数が少なく、経験がなかなか積めない」
そんな人へ…
- 正常分娩数が年間800~1000件以上の病院
- 新人に対する教育体制が整っている
- 未経験もOK
分娩をてきぱき介助したい
「自分で母子の状態を判断できる」
「分娩を主導し、介助していくのが向いている」
そんな人へ…
- 産科専門の病院・クリニック
- 院内助産院がある病院
- 経験者優遇
難しいお産にも関わりたい
「ハイリスク分娩など、様々な症例の経験を積みたい」
「緊急の場合にも対応できるようになりたい」
そんな人へ…
- ハイリスクにも対応できる設備が整っている
- 緊急受け入れ対応
- 総合・地域周産期母子医療センター
- 大学病院
一人ひとりに合わせたお産を考えたい
「妊婦さんの時からサポートしたい、母親学級にも力を入れたい」
「出産後のお母さんの悩みにも応えたい」
そんな人へ…
- 助産師外来や院内助産院がある病院
- 産科専門の病院・クリニック
- 分娩や育児の方針に特徴やこだわりがある病院
- 個人の助産所
分娩にこだわらず状況に合わせて働きたい
「分娩に関わるのは体力的に厳しい」
「今は子育てを優先したい」
「家庭の都合で常勤は難しい」
そんな人へ…
- 分娩を行っていない産婦人科病棟やクリニック
- 地域の保健所・保健センター
- 不妊治療に力を入れている施設
- パート、短期での募集
- 産休などに伴う代替派遣や紹介予定派遣
- 日勤のみ
- 夜勤専従
タイプと状況で選ぶ3つの応募方法
助産師の求人情報の、探し方や掲載サイトを、3つに分けてご紹介していきます。
それぞれのサイトで会員登録をする前に、まずはここで、自分に合った応募方法や転職活動の仕方までをよく考えてみることをお勧めします。
どの方法で応募するかは、相性や考え方、向き不向きもありますが、現在の状況によっても判断してみてください。
その後、会員登録をすることで、より詳しく便利に情報を手に入れられる場合も多くあります。
時間に余裕がある人・初めての人は公的な機関を通して応募する
- 時間の余裕がある人
→ハローワークでは、実際に窓口に出向いての登録や応募が必要です。
- 転職の経験が少ない人
→研修や相談などのサポートがある点、公的機関としての信用や安心感がポイントです。
ハローワーク
看護師で再就業する人の3分の1以上の人がハローワークを利用しており、看護職の人にとっても病院側にとっても信頼のおける機関であると言えます。
ハローワークとは公共職業安定所のことで、厚生労働省が全国に窓口を置き、各自治体の労働局の窓口として、職業相談や職業紹介等を行っている公的機関です。
病院だけでなく診療所の求人も多く、地元ならではの求人が多くあるのが特徴です。
- 病院側の掲載が無料なので、地元の病院や小さいクリニックなどの情報を見つけやすい
- インターネットで求人検索ができる
- 履歴書・面接等の相談ができたり、各種研修に参加できる
※登録の手続きは、最寄りの窓口に行く必要がありますが、あらかじめネットで仮登録をしておくと、窓口で記入する時間と手間が省けるので便利です。
全国ハローワークの所在案内/厚生労働省
ハローワークには「福祉人材コーナー」という、福祉分野(介護・看護・保育等)で仕事を探す人のための窓口が各都道府県に1つは必ず設置してあります。例えば東京では「ハートフルワークコーナー」という名前で、池袋・足立・八王子・渋谷・立川の5か所にコーナーが設けられています。助産師の求人にも詳しいスタッフが担当してくれますので、こちらもぜひ利用してみてください。
福祉人材コーナー設置職業安定所一覧/厚生労働省
ハローワークには「マザーズハローワーク」「マザーズコーナー」という、子育て中の仕事探しを応援する窓口もあります。チャイルドコーナーがあるなど、子ども連れのママやパパが利用しやすくなっています。窓口の数も多く、育児中ならではの悩みも気軽に相談できるので、子育て中の転職や復職を考える方は、こちらを利用してみてください。
子育て中の仕事探しはマザーズで(PDF)/厚生労働省
ナースセンター(日本看護協会)
ナースセンター(一部の地域では「ナースプラザ」「ナースバンク」などと呼びます)は、公益社団法人日本看護協会が運営する機関で、看護職の無料職業紹介や再就業支援のための研修などを行っています。
中心となる中央ナースセンターのほか、全国各都道府県に1つずつ設置されています。
直接窓口での就職相談や求人紹介のほか、都道府県看護協会による無料職業紹介事業サイト「eナースセンター」での求人検索や応募もできるようになっています。
看護職の人はもちろん、看護学生も登録することができます。
- 看護職専門の機関のため、詳しくて専門的な相談ができる
- インターネットから、細かく条件を指定して求人を検索したり、質問や応募までできる
- 求職登録で、自分に合った求人を週に一度マッチングしてくれたり、希望に合う求人情報がメールで届く
- 復職研修などを各都道府県ごとに受けられる
◇都道府県ナースセンター一覧(PDF)/eナースセンター
◇東京都ナースプラザ
◆こちらの記事も参考に!
【eナースセンター】※利用前に知っておくべき6つのこと<口コミ評判・向き不向き>
自分のペースや感覚を大事にしたい人は直接応募する
- 自分でやる自信がある人
→気になる病院、見つけた求人に、直接電話をかけて問い合わせることは、病院側にとってもうれしいことですし、こちらにとってもデメリットはありません。たとえ電話でも、あなたの第一印象になりますので、丁寧な受け答えを心掛けてください。
直接ホームページを見て応募する
気になる病院がある場合は、直接その病院のホームページをチェックしてみましょう。
多くの場合、採用情報が載せてあります。
ホームページの見た目が、必ずしも病院の良さと比例するわけではありませんが、分娩や診療の方針、雰囲気などを知るためにも、一度チェックするといいと思います。
施設検索(分娩取扱施設)/周産期医療の広場(公益社団法人日本産科婦人科学会)
知人に紹介してもらう
病院の内情を知っている知り合いからの直接紹介は、細かいことまで事前に知ることができるのが利点です。
相談できそうな人がいる場合は、当たってみましょう。
時間がない人・うまくいかない人は民間のサポートを使って応募する
民間のサポートとは、主に転職サイトの事です。
転職支援サイトで会員登録をすると、担当者から連絡が来て、様々なサポートを利用しながらの応募ができるようになります。
- 時間の余裕がなく、情報が少ない人
→在職中の転職活動や、引っ越し先への就職の場合など、希望に沿った求人紹介や病院への条件交渉などをしてもらえるのはとても便利です。
- いやなことははっきり断れる人
→採用されなければ支援会社の報酬にならないため、希望に合わない病院を紹介されるなどの強引な対応をされる場合もあるようです。転職サイトや人材派遣サイトを利用して応募する場合は、自分の希望や条件をしっかり持った上で、信頼のおける担当者を通して、転職活動するようにしましょう。
転職サイト
転職サイトとは、転職支援会社が人材紹介サービスを行うサイトのことです。
看護職専門のサイトが数多くあって、働き方や条件を細かく入力して検索ができます。
求人数やサービス内容、対応地域はサイトによってそれぞれです。
- 担当者が付いて、転職相談、条件に合った求人の紹介などの、転職活動全般をサポートしてくれる
- 病院との条件交渉、履歴書・面接のアドバイス、面接の日程調整、面接への同行、入職後のサポートなどの手厚いサービスを受けることができる
※サービス内容はサイトによって違います。
参考までに下記は主な転職サイトの助産師の求人数ランキングになります。(2024年11月時点)
順位 | 転職サイト名 | 求人数 |
---|---|---|
1位 | 医療ワーカー | 902件 |
2位 | 看護のお仕事 | 734件 |
3位 | マイナビ看護師 | 606件 |
◆こちらの記事も参考に!
看護師転職サイトランキング【20種の求人条件で比較してみた結果】
その他
求人情報がまとめてたくさん検索できるサイトがあります。
- 転職活動に慣れている人
→応募の仕方はそれぞれの求人で違うので、掲載元のサイトに従います。
求人検索エンジン
求人情報検索エンジンサイトは、看護職専門ではありませんが、簡単な入力で一度にたくさんの求人情報を探すことができる便利なサイトです。
検索エンジンサイトなので、求人情報を詳しく見る場合は、掲載元のサイトに移動して見ることになります。
- 様々なサイトの助産師求人をまとめて検索できる
- アカウントやメールアドレスのみの登録で利用が可能。
- お気に入り保存機能、新着求人情報が届く、求人側からスカウトが来る、履歴書を登録できる、などのサービスあり
※サービス内容はサイトによって違います。
おわりに
看護師の求人や転職情報のサイトはたくさんありますが、助産師にとっても有効で便利なものとは限らず、求人探しには苦労されているかと思います。
少しでも助産師さんに合った情報・やり方を集めて、ご紹介してきました。
就職活動や転職活動は、仕事と同じく慣れも必要で、チャレンジすることが成功につながっていきます。
助産師として働くみなさんには、赤ちゃんの命、そしてお母さんや家族の笑顔のために、これからも自分らしく活躍していってほしいと思います。