あなたは今、「eナースセンターを利用して転職しようかな…」と迷っているところではありませんか?
eナースセンターとは、日本看護協会が行う無料の職業紹介をインターネット上で受けることができるシステムです。
看護職で転職を考える場合にeナースセンターの利用を検討することはとても自然なことですよね。
しかし、eナースセンターでの転職には向き不向きがあります。
eナースセンターの利用方法やメリットを知り、今のあなたの状況や転職の希望と照らし合わせれば、eナースセンターを利用して転職するのに向いているかどうかがわかります。
この記事では、初めて利用する人にもわかりやすくeナースセンターについて解説しています。
また、eナースセンターだけに頼らない、あなたらしい転職方法を見つけるためのヒントも紹介しています。
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eナースセンターで転職する前に絶対に知っておきたい6つのこと
「eナースセンター」という名前は知っていても、その詳細はほとんど知らないという人が多いのではないでしょうか。
まずは知るところから始めましょう。
ここでは、eナースセンターを利用する前に絶対に知っておきたいことを6つ紹介します。
eナースセンターの転職実績
eナースセンターを利用して転職しようと考えている人の1番の気がかりは、「本当に転職できるのか」ということではないでしょうか。
再就職率は約19%
2012年度、eナースセンターの求職者数は約63,000人です。
そのうち約18,000人が病院などの施設に紹介され、その中の約12,000人が就職に至っています。
求職者の18.9%がeナースセンターの紹介で実際に就職していることになります。
求職者が働いていない場合の再就職率は27%
上記のデータは、eナースセンターに登録した時点で、就業中の人と未就業の人の紹介率・就職率をそれぞれ比較しています。
就業中の求職者の紹介率は21.5%、就職率は12.1%です。
それに対し、未就業者の紹介率は36.7%、就職率は27.0%と2倍以上高くなっています。
働いていない人の方がより多くの就職に結びついていることがわかります。
eナースセンターの求人に関する2つの傾向
eナースセンターの求人には2つの傾向があります。
求人倍率は2.7倍
転職を考える上で求人数を気にする人も多いのではないでしょうか。
下記のデータは、eナースセンターにおける看護職全体の求人倍率を示しています。
【看護職全体の求人倍率】
2012年度の看護職の有効求人倍率は2.7倍です。
年々増加傾向にあり、10年間で2倍近く増加しています。
ハローワークともほとんど差はありません。
下記のデータは職種別の求人倍率を示しています。
【職種別の求人倍率】
求人倍率を職種別に見ると、看護師、助産師、准看護師、保健師の順に高く、看護師については2012年度に3倍を超えています。
全国の病院の約50%がeナースセンターに求人を出している
2012年度にeナースセンターに登録し、求人を出している病院数は4,348病院で、全国の病院数に占める割合は50.8%となっています。
求人数については、病院の求人数は全求人数の約半数を占め、残りの半数は病院以外の診療所・介護保健施設などであることが下記のデータからわかります。
また、雇用形態別では、非常勤と臨時雇用を合わせた割合が35%程度となっていて、常勤以外の求人も一定数存在していています。
eナースセンターを利用するメリットとデメリット
ここからは、あなたが本当にeナースセンターを利用して転職するのに向いているのかどうかを考えていきましょう。
そのためにはメリットとデメリットをきちんと理解しておくことが大切です。
eナースセンターならではの6つのメリット
eナースセンターを利用して転職活動をするメリットには主に下記の6つが挙げられます。
- 日本看護協会が運営しているから信頼できる
- 職員は元看護職の人がほとんどなので安心して相談できる
- 47都道府県に拠点があり、地方の求人に強い
- 求人検索から応募までインターネットで一貫して行うことができる
- 求人施設の職場環境の情報を知ることができる
- 復職のための研修セミナーがある
- 日本看護協会が運営しているから信頼できる
eナースセンターの最大のメリットは、日本看護協会が運営しているということです。
最近では看護職の転職に民間の人材紹介企業も多数進出しているため、転職する人が不安を感じることも多いようです。
eナースセンターは公的な施設であり、さらに看護職の専門機関であるということで利用者からの信頼を集めています。
また利用は無料で、日本看護協会に入会していなくても登録すれば利用できます。
- 職員は元看護職の人がほとんどなので安心して相談できる
eナースセンターの職員はほとんどが元看護職です。
経験者なので話が通じやすく、あなたの悩みや希望を理解してくれます。親身になって相談をきいてくれるので親近感を持つ人も多く、相談しながら転職の方向性を決めるというケースもあります。
その一方で、職員は看護職としての独自の価値観を持っているため、あなたの悩みや希望を理解してもらえないケースや、利用者への配慮が欠けていると感じることもあるようです。
職員との相性はありますが、経験者に相談できるというのはeナースセンターの大きなメリットです。
転職や求人について少しでも不安があるのであれば一度相談することをおすすめします。
- 47都道府県に拠点があり、地方の求人に強い
eナースセンターは47都道府県それぞれに1ヶ所以上の拠点があり、全国の医療施設の情報を網羅しています。
また、地域差のある求人数についても大都市だけに偏らず、地方の求人にも強いという特徴があります。
- 求人検索から応募までインターネットで一貫して行うことができる
ユーザー登録をすれば求人検索から応募までのステップをすべてインターネット上で完結することができます。
eナースセンターの職員への相談や希望する求人施設への問い合わせなども可能です。
- 求人施設の情報を知ることができる
日本看護協会が運営している機関ですから、求人票の内容だけでなく求人施設の情報についても把握しています。
特に「看護職員の働きやすさについてどのような努力をしているか」という職場環境の改善への取り組みについて情報を持っているのが強みです。
応募する前にこのような情報を教えてもらうことができるので、転職のリスクを減らすことができます。
- ブランクがある人のための研修セミナーがある
日本看護協会では潜在看護師の復職に力を入れています。
主にブランクがある人向けに研修やセミナーを開催していて、都合が合えば無料で参加することができます。
eナースセンターならではの3つのデメリット
eナースセンターを利用して転職活動をするデメリットには主に下記の3つが挙げられます。
- 求人施設に偏りがある
- 登録から応募までに時間と手間がかかる
- 転職活動のほとんどを自分で行わなくてはならない
- 求人施設に偏りがある
先ほど、eナースセンターの求人倍率は高く地方の求人にも強いと紹介しました。
しかし、求人数そのものでみると豊富とまでは言えないようです。
eナースセンターに登録している病院数は約50%です。
残りの50%は未登録ということです。
また、登録している病院についても、501床以上の大規模な病院は少なく、中・小規模の病院や診療所が多くなっています。
求職者の期待に応えるだけの十分な求人の選択肢があるとまでは言えない状況です。
- 登録から応募までに時間と手間がかかる
eナースセンターを利用するためにはユーザー登録が必要になりますが、その際に作成する「プロフィール」「求職者情報」は入力項目が多く、途中で諦めてしまう人もいるようです。
また、メリットで挙げた「求人検索から応募までインターネットで一貫して行うことができる」というのも利用者によってはデメリットになります。
インターネット上でのやり取りのためタイムラグが生じたり、紹介応募を依頼しても3日間の待機期間があったり、平日のみの対応に限られたりと、スピードに欠けています。
また、職業相談を受けたりするやり取りも増えればその分時間がかかり、ナースセンターに直接足を運んだほうが対応は早い…というケースも珍しくないようです。
- 転職活動のほとんどを自分で行わなくてはならない
eナースセンターは職業相談などを行ってくれますが、あくまでも「転職活動を行うのはあなたです」というスタンスです。
eナースセンターでは求人施設への紹介応募を行い、面接日の設定などの最小限のことはしてくれますが、それ以外は基本的に自分で活動することになります。
そのため、サポートが足りないと不満を感じる人も多いようです。
「あなたに合う求人がありますよ」というような案内をしてくれることは期待できませんので、求人探しからすべて自分でやると思っていたほうがいいでしょう。
eナースセンターを利用するのに向いている人、向いていない人
eナースセンターのメリット・デメリットを踏まえて、eナースセンターを利用して転職活動するのに向いている人と向いていない人をまとめました。
eナースセンターに向いている人
- 転職するのが初めて、転職で失敗したことがあるなど、安心して転職したい人
- 自分に合った働き方がわからない、転職活動に自信がないなど、悩みを経験者に相談したい人
- 地方の求人や中・小規模の施設を探している人
- 時間的な余裕があり、自分のペースで転職活動をしたい人
- インターネットの利用やパソコン・スマホの操作が苦手ではない人
- 求人施設の職場環境について知りたいと思っている人
eナースセンターに向いていない人
- たくさんの求人の中から自分に合う求人を見つけたい人
- 大規模の施設への転職を希望している人
- 時間に余裕がなく、自分で行う転職活動を少しでも減らしたい人
- キャリアアップのためなど、転職の目的がハッキリしていて迷いがない人
- パソコン・スマートフォンの操作が苦手な人
- とにかく早く転職したい人
eナースセンターを利用した人の口コミ・評判
実際にeナースセンターを利用して転職活動を行った人の口コミや評判を紹介します。
eナースセンターのメリット・デメリットを紹介しましたが、メリットがデメリットになるケースもあります。
また評価の高い口コミもあれば低い口コミもあります。
大切なのは、口コミや評判を参考にしながら、あなたがどのような転職活動をしたいのかを考えることです。
評価の高い口コミ
直接(相談担当者と)話をしたりして、自分が不満に思ってることとかも引き出して聞いてくれて、それを元に次の職場を探してくれたりしてくれるので、そういうのは良かったなと思う
引用:看護職の職業紹介等の実態に関する報告書 Aさん
『ここの病院どうですか』と聞くと、『ここはこういうところだよ』とか『ちょっと残業が多いよね』とか情報をくれるのでそういうところが(良い)
引用:看護職の職業紹介等の実態に関する報告書 Fさん
ナースセンターは自治体からの委託を受けて運営しているので、看護協会に入会していなくても利用できます。eナースセンターも、登録するとかなり詳細な情報を閲覧できます。
引用:看護師お悩み掲示板 うさこさん
評価の低い口コミ
希望勤務地とか希望形態とか希望給与とか次々とチェックして、検索!とした結果、該当する案件は1件しかない…ということがあります。その場合、一番上にある「過去1週間の新着情報から検索」のチェックをはずしていないということがあります。チェックは最初にはずしましょう。
引用:看護師お悩み掲示板 うさこさん
インターネットから申し込んだ場合、3日間(土日含まず)の待機期間が生じたあと、ようやくナースバンクから求人施設に連絡が行く流れになっているそうです。そのため、紹介状をダウンロードできるようになるためには、最短でも1週間程度かかるそう。
引用:http://www.nurse-style.com/usage/
看護協会のe-ナースセンターにはネット登録しましたが、やり方が悪いのか殆ど“こだわらない”と選択しているのにも関わらず、ヒットしません。
引用:看護師お悩み掲示板 あられちゃんさん
eナースセンターの利用方法~登録から応募までの5つのステップ~
ここからはeナースセンターの利用方法について紹介します。
eナースセンターの登録から応募までには下記の5つのステップがあります。

ステップ1:ユーザー情報の登録
eナースセンターを利用するためにはユーザー情報の登録が必要になりますが、初めて利用する人のために、未登録の人でも求人検索(体験版)を試すことができます。
求人検索(体験版)では、雇用形態や勤務形態などの一部の情報のみが掲載され、求人施設を特定し求人の詳細を知ることはできません。
しかし、eナースセンターの機能や求人をイメージできるので、気になる人は一度試してみるといいでしょう。
- 求人検索(体験版)の詳細⇒「ユーザー登録を行わないで利用できる機能」
体験版より詳しい求人検索をしたい場合や、実際にeナースセンターを利用して転職活動をする場合はユーザー情報の登録が必要になります。
登録は日本看護協会の「eナースセンター」から登録ができます。
操作はすべてパソコンでもスマートフォンでも可能です。
氏名やメールアドレスを入力・送信すれば簡単にユーザーIDの登録ができます。
申請したメールアドレスに届く「求職者(看護職)ID申請受領通知」からユーザー情報の登録を行います。
生年月日や住所、看護師免許証番号などを登録します。
- ユーザーIDの申請の詳細⇒「ID申請画面の操作マニュアル」
ステップ2:希望条件を登録
ユーザー情報の登録が完了すると、「求職者(看護職)登録通知メール」が届きます。
そこから「プロフィール」と「求職者情報」の2種類のデータを登録します。
プロフィールでは主にこれまでの職歴を、求職者情報ではこれからの転職の希望条件などを回答します。
eナースセンターでは、求職者が求人票を見られるのと同じように、求人施設側も求職者の情報を見ることができます。
あなたが希望する施設に応募した時に求人施設側があなたのプロフィールなどを事前に確認したり、求人施設から直接オファーがあるケースもあります。
この2種類のデータ入力は項目が多く大変な作業ですが、自分をアピールするための手段です。
このステップをしっかりとクリアすることがeナースセンターでの転職には重要になります。
- プロフィール登録の詳細⇒「プロフィール登録画面の操作マニュアル」
- 求職者情報の登録の詳細⇒「求職情報登録画面の操作マニュアル」
ステップ3:自動マッチング
ステップ2の「求職者情報の登録」の項目に「自動マッチング」という機能があります。
これを「希望する」と選択すると、あなたが求人を検索しなくても希望の条件に合う求人を探してくれます。
自動マッチングは、ステップ2で登録したあなたの希望に基づいて毎週日曜日の夜間にマッチングを行っています。
転職活動の効率アップも期待できるので、ぜひこの機能を活用しましょう。
ステップ4:希望条件にあった求人情報を紹介
ステップ1、2、3が完了したら、あなたの希望に合う求人を自由に検索することができます。
勤務地、待遇、施設の種類など、さまざまな条件から検索することができます。
また、自分で求人を検索するだけでなく、ステップ3で紹介した自動マッチングであなたに合った求人をメールで通知してくれたり、eナースセンターのトップ画面に表示したりしてくれます。
ステップ5:応募
希望する求人が見つかった場合は応募ができます。
応募方法は「システム応募」と「紹介応募」の2種類があります。
①システム応募
求職者が求人施設に直接応募する方法です。
希望する求人が見つかりエントリーする場合、eナースセンターの登録画面を利用して自己PRなどを作成し、求人施設に求職者から連絡します。
その後は求人施設の採用担当者からの連絡を待つことになります。
②紹介応募
ナースセンターを介して求人施設に応募する方法です。
ナースセンターを介するという点以外、システム応募と変わりはありません。
求人票の内容などについて問合わせたいことがあれば、求人施設でもナースセンターでもどちらにも問い合わせることができます。
- 求人情報の検索、問い合わせ、応募方法の詳細⇒「求人情報の検索・問合せ・応募の操作マニュアル」
- 求人施設やナースセンターとのやり取りの方法の詳細⇒「コンタクト画面の操作マニュアル」
eナースセンターや求人施設とのやり取りを経て、いよいよ面接、就業という流れになります。
eナースセンターだけじゃない!【組み合わせ】であなたらしい転職方法を見つけよう
eナースセンターに対する考え方は人それぞれです。
eナースセンターの転職に魅力を感じた人もいれば、少し物足りなく不安を感じた方もいると思います。
ここからはeナースセンター以外の転職方法を紹介します。
それぞれのメリット・デメリットを知ればあなたに1番合う転職方法を見つけることができます。
ポイントは「組み合わせ」です。
看護職がよく利用する3つの転職方法とその比較
看護職の転職でよく利用・比較されるのはeナースセンター、ハローワーク、転職サイトの3つの機関です。
どれも無料で利用できるので求職者の強い味方です。
1番利用者が多いのは転職サイト
下記のデータは、転職先を探すために、3つの機関を利用した求職者の割合を示しています。
eナースセンターの利用者が少ないのがわかります。
主な原因は知名度の低さです。
転職といえばハローワークをイメージする人も多いと思いますが、転職サイト(有料職業紹介事業者)を利用している人の割合が1番高くなっています。
3つの転職方法をカンタン比較
3つの転職方法のそれぞれの特徴をわかりやすく比較しました。
どれか1つの方法で希望の転職をするのは難しいケースもあります。
そのような場合は複数の転職方法を組み合わせることも検討するといいでしょう。
項目 | eナースセンター | ハローワーク | 転職サイト |
費用の負担 | ×(なし) | ×(なし) | ×(なし) |
求人数 | △(少なめ) | 〇(多い) | △(少なめ) |
地方の求人の網羅性 | 〇(網羅されている) | 〇(網羅されている) | △(偏りがある) |
求人先の情報量 | 〇(多い) | ×(少なめ) | ◎(とても多い) |
転職までのスピード | △(遅め) | △(遅め) | 〇(早い) |
自分で行う転職活動の多さ | ×(多い) | ×(多い) | 〇(少ない) |
ハローワークのメリット・デメリット~eナースセンターと比較した場合~
ここからは上記の比較表を具体的に説明します。
ハローワークと転職サイトの2つの方法のメリット・デメリットを、eナースセンターのメリット・デメリットと比較して紹介します。
まずはハローワークから紹介しますね。
ハローワークのメリット~eナースセンターと比較した場合~
- 公的な機関なので安心して利用できる
- 求人数はeナースセンターよりも多く、全国的に網羅されどこでも一定数の求人がある
- 失業給付を受けながら転職活動ができる
ハローワークのメリットはeナースセンターのメリットとあまり変わりません。
公的な機関なので安心して利用できます。
また、「仕事を探すならハローワーク」というイメージがあり認知度が高いもの特徴です。
そのため、看護職という特別な仕事であってもハローワークで仕事を探す人が多いのです。
また、人材を探す施設側も同じなので、eナースセンターよりハローワークの求人数が多くなっています。
ハローワークはeナースセンターより各都道府県の拠点数が多いため、求人数の網羅性も高く地方であっても求人が確保される傾向にあります。
失業給付を受ける人は必ず管轄のハローワークに足を運ばなくてはいけないので、それと合わせて転職活動を行うということもあります。
ハローワークのデメリット~eナースセンターと比較した場合~
- 求人施設の情報が少ない
- 求人に応募する場合はハローワークの窓口に行かなくてはいけない
1番のデメリットは求人施設についての情報が少ないということです。
転職に失敗したくない人にとって求人施設の情報を得られるかどうかはとても重要です。
職場環境はもちろん、経営状況などもわからないため、転職した後にトラブルが起こることもあります。
ハローワークでも職業相談ができますが、eナースセンターと違い看護職の転職のプロではありませんので、悩みや不安を相談しにくいと感じることもあるようです。
また、ハローワークはインターネットで求人検索できるものの、応募する場合は窓口に行かなくてはなりません。
窓口は混雑しているので思うように活動できず、自力での転職活動に近いので転職までに時間がかかることもあります。
ハローワークに向いている人
- 転職するのが初めて、転職で失敗したことがあるなど、公的機関で安心して転職したい人
- 地方の求人を探している人
- 看護職以外の職業も検討している人
- 時間的な余裕があり、自分のペースで転職活動をしたい人
- 失業給付を受ける人
ハローワークとeナースセンターの連携が始まっている
同じ公的機関で特徴も似ているハローワークとeナースセンターの連携が強化されます。
すでに一部の地域では試験的に連携が実施されています。
これによって求職者情報や求人情報が共有され、より効率の良い質の高い転職活動ができると期待されています。
- 参考記事⇒日本看護協会「ハローワークとナースセンターの連携強化求める」
この連携が強化されれば、ハローワークかeナースセンターのいずれかに登録すれば両者のメリットを受けられることになるので、今後の進展に注目したいところです。
いずれかに登録するのであれば「看護職の転職のプロ」であるeナースセンターに登録することをおすすめします。
転職サイトのメリット・デメリット~eナースセンターと比較した場合~
次は転職サイトについて紹介します。
転職サイトには公的機関には見られない手厚いサポートがあるのが魅力ですが、場合によってはトラブルになることもあります。
メリット・デメリットを知り自分で見極める必要があります。
転職サイトのメリット~eナースセンターと比較した場合~
- 都市部の求人数が多い
- 転職までのスピードが早い
- 自分で行う転職活動が少なく、サポートが充実している
- 施設の情報が多く、自分の希望する求人先を紹介してもらえる
- 非公開求人を紹介してもらえる
転職サイトの1番のメリットは都市部に限定されますが求人数の多さです。
特に501床以上の大規模病院の求人が揃っています。
転職サイトは求人施設と求職者の間にコンサルタントが入り、あなたの希望に合う求人を探して紹介してくれます。
コンサルタントとのやりとりは増えますが、通常の転職では自分でやらなくてはならないことをコンサルタントが代行してくれるので、結果的に転職までのスピードが早くなります。
また、転職サイトはサポートが充実しています。
例えば、
- 履歴書や経歴書の添削、指導
- 勤務条件や待遇の交渉
- 今の就業先を円満に退職するためのアドバイス
などがあります。
どれも転職する過程で苦手とする人が多いので、コンサルタントのサポートを受けられることはとても心強いと言えます。
また、入職した後のフォローもあります。
転職サイトは求人施設とコンサルタントが密に連絡をとっているため施設の内部情報をもっています。
求職者とコンサルタントのコンタクト回数も多いので、求職者の希望に近い職場を探してくれます。
そのため希望する施設を紹介してもらえる可能性が高く、求人施設側にとっても求職者側にとっても大きなメリットになっています。
また、転職サイトの求人には「非公開求人」というものがあります。
求人サイトにも掲載されない、他のサイトにも公開されない求人のことで、高待遇の求人ばかりです。
求人サイトを利用して転職する人はこの非公開求人に魅力を感じている人が多いようです。
- 転職サイトの参考記事⇒「https://kangobu.com/nuese-job-change-website-3210」
転職サイトのデメリット~eナースセンターと比較した場合~
- 求人紹介の電話やメールが多い
- コンサルタントとの相性がある
- 希望に合わない施設を紹介されることがある
- 採用のハードルが高い
転職サイトは民間の人材紹介企業なので、利用者の転職が成立することで求人施設から報酬を得ています。
そのため利益のためには手段も問わないというような強引なコンタクトを行うこともあります。
コンサルタントとの相性も転職活動をスムーズに進めるためには重要です。
また、希望に合わない求人を紹介されることがあったり、求人内容と実際に働いてからの待遇が全然違ったというケースもあります。
求人施設は人材を採用するごとに転職サイト側に多額の報酬を支払っています。
そのため、「お金をかけて採用している」という意識が働き、採用のハードルが高くなることがあります。
病院側の事情も理解した上で転職サイトの利用を検討する方がいいでしょう。
- 転職サイトの参考記事⇒「https://kangobu.com/nuese-job-change-website-3210」
転職サイトに向いている人
- とにかく早く転職したい人
- 都市部の求人をたくさん知り、比較検討したい人
- 転職活動の手間を省きたい
- 自分の転職方法に迷いがあり、サポートを受けたい人
それ以外の方法
これまで紹介した3つ以外にも転職の方法があるので紹介します。
転職方法として組み合わせれば、選択肢が広がり転職成功により近づきます。
知人の紹介
知人の紹介は1番確実な転職方法と言えるのではないでしょうか。
知人だからこそ聞きにくいということはありますが、どんな方法よりも間違いがありません。
情報が正確なので、入職後に「こんなはずじゃなかった」という思いをしません。
学生時代の友人と連絡を取り合ったり、学会や研修に参加して人脈を広げたりしながら情報交換をしておくといいでしょう。
いざという時に役に立つこともあります。
求人検索エンジン
求人検索エンジンは、医療施設の採用情報や転職サイトに公開されている求人情報などを一括で検索することができる便利な方法です。
一度の検索でたくさんの求人情報を得ることができるのが最大のメリットです。
また、メールアドレスを登録しておくと希望に合う求人を通知してくれるのでとても便利です。
希望する求人が見つかった場合は、掲載されているサイトを経由して応募しなくてはなりません。
また、求人内容の詳細が掲載されていないので、求人施設の情報がほとんど得られないというデメリットがあります。
思うような求人が見つからないという時は求人検索エンジンを利用してみるといいかもしれません。
eナースセンターの基本を知ろう
ここまではeナースセンターの「無料の職業紹介」について紹介してきましたが、eナースセンターには他にもさまざまな役割があります。
ここからはeナースセンターの基本を紹介します。
eナースセンターの誕生と4つの特徴
eナースセンターは日本看護協会が運営するナースセンターの無料職業紹介をインターネット上に展開したものです。
つまり、eナースセンターの前身はナースセンターで、ナースセンターでは職業紹介以外にもさまざまな役割を果たしています。
ナースセンターの誕生
現在、看護職の人材不足が大きな問題となっています。
そこで国がとった対策として、看護職の人材確保を行う施設であるナースセンターを設置しました。
ナースセンターの4つの特徴
- 全国47都道府県が行っている唯一の看護職の人材確保をする機関
- 職業紹介は無料
- 看護職の職員を中心に職業相談を受ける
- ブランクがあり復職に不安のある潜在看護師の人に無料の再就業支援研修を行っている
ナースセンターは2種類
ナースセンターには「都道府県ナースセンター」と「中央ナースセンター」の2種類があります。
都道府県ナースセンターは各都道府県に1ヶ所以上設置されていて、看護職の職業紹介、就業相談、研修などを行っています。
- 全国の都道府県ナースセンターの所在地・連絡先⇒「都道府県ナースセンター」
中央ナースセンターは都道府県ナースセンターの円滑な運営を支援したり、看護職の就業状況などの調査を行っています。
- 中央ナースセンターの詳細⇒「中央ナースセンター」
ナースセンターの3つの役割
ここからはあなたに直接関係する「都道府県ナースセンター」について紹介します。
ナースセンターには看護職のために果たすべき大きな役割が3つあります。
役割①:ナースバンク事業
ナースバンク事業とは、
- 無料の職業紹介
- 再就業支援研修
- 看護職の届出制度による生涯支援
の3つをまとめたものです。
3つめの「看護職の届出制度による生涯支援」とは、離職した時にその旨をナースセンターに届け出るというものです。
これによってスムーズに復職の支援を行い、生涯にわたって看護職のキャリアを継続できるように支援します。
潜在看護師の減らし、看護職の人材確保が期待されています。
役割②:訪問看護支援事業
需要が拡大する訪問看護師を養成するために「訪問看護師養成講習会」を実施しています。
役割③:「看護の心」の普及事業
5月12日の「看護の日」に各都道府県で看護を知ってもらうイベントを開催しています。
講演会や、医療施設で1日看護体験をする「ふれあい看護体験」があります。
また、看護職を目指す人のために進路相談なども行っています。
この3つの役割の詳細については、各都道府県ナースセンターのHPで確認できます。
- 全国の都道府県ナースセンターの所在地・連絡先⇒「都道府県ナースセンター」
eナースセンターを利用できる人
ここからはまたeナースセンターに話を戻します。
eナースセンターを利用できる人は、
- 就職先を探している看護職
- 看護職を目指す看護学生
- 看護職を探している求人施設
です。
看護学生の方へ
看護学生でも登録すれば求人検索・応募が可能です。
全国の看護学校情報や奨学金情報なども見ることができます。
求人施設の方へ
求人情報を登録すると、eナースセンターを介して求職者に直接オファーができます。
また、求職者からの応募も受け付けることができます。
eナースセンターの類似に気をつけて
「eナースセンター」とインターネットで検索すると似たような名前のサイトがたくさん表示されます。
「eナースセンター」は日本看護協会が運営していて、それ以外は名前が似ていてもまったく違います。
名前が似ていても看護職向けの転職サイトだったり、研修教材の名前であったり、うっかりすると間違って登録してしまうこともあります。
「eナースセンター」を利用する前にきちんと確認するようにしましょう。
eナースセンターの課題
eナースセンターは看護職の強い味方であることがわかっていただけたと思います。
しかし、まだまだ課題は多いようです。
- 求職者数、求人施設数が少ない
- サイトの操作がわかりにくい、面倒
- 職員の対応が事務的
- 休日に相談できない
- 入職前も入職後も、受けられるサポートが少ない
などの意見が利用者から挙げられています。
eナースセンターの目的は看護職の人材確保です。
さらに求職者・求人施設の両者にとってできる限り希望に近い人材・施設を紹介することが求められています。
今後のeナースセンターに期待したいものです。
eナースセンターの研修
eナースセンターで行われている研修について紹介します。
研修の2つの特徴
eナースセンターの研修には特徴が2つあります。
参加費は原則として無料です。
ブランクがある人に向けて行われる研修が多い
eナースセンターは看護職の復職支援を目的としています。
そのため、ブランクがある人ができるだけ安心して復職してもらえるように再就業を支援する研修が多くなっています。
【再就業のための研修の一例】

その他にも現役の看護職のための研修も開かれています。
講義だけでなく実技もあります。
【現役の看護職のための研修の一例】

研修の頻度が低い
研修は全国各地で行われていますが、開催される場所や回数に決まりがありません。
再就業のための研修の場合、1年に1回開かれる程度です。
なお、2016年の研修についてはまだ1つも掲載されていません。
利用者からも回数を増やしてほしいとの要望があり、今後増える可能性があります。
研修の内容はさまざま
研修の日時や開催場所、参加対象者、研修内容などはさまざまです。
参加を希望する人は開催の有無をこまめにチェックする必要があります。
また、近隣の医療施設で研修を受けさせてくれるというケースもあるので、ナースセンターのHPを見たり直接問い合わせてみるといいでしょう。
- 全国の都道府県ナースセンターの所在地・連絡先⇒「都道府県ナースセンター」
申し込みの流れ
研修によっては申し込みの流れや方法が異なりますが、それほど変わりはありません。
- eナースセンターのトップ画面の「お知らせ」に研修の情報が掲載されるのでチェックする
- 開催される都道府県ナースセンターのHPを確認する
- 用紙をダウンロードして記入・郵送、もしくは電話で申し込む
研修は定員制で〆切もあるので、参加したい研修があれば電話で申し込むのがベストです。
- eナースセンター
- 全国の都道府県ナースセンターの所在地・連絡先⇒「都道府県ナースセンター」
研修の満足度は90%以上
再就業支援の研修に参加した人の満足度のデータです。
「とても役に立った」と「少し役に立った」を合わせると90%以上になっていて、とても高い評価を受けています。
復職の不安が少しでもあるなら積極的に研修に参加することをおすすめします。
転職で失敗しないための2つの心得
これまでに紹介した転職方法を利用するかしないかはあなたの自由です。
自分に合った方法を選ぶのが1番大切です。
どの方法で転職活動をするにしても、これから紹介する2つのことを理解しているかどうかが転職成功への大きなカギとなります。
看護師人生において数少ない転職を成功させるかどうかはあなた次第です。
転職の希望を明確にする
「あなたが転職するにあたって1番譲れないことはなんですか?」
転職活動をすると、「希望の求人がない…」という壁にぶつかります。
はじめのうちは転職先に求める条件が多くなり、思うように転職が進まないことがあります。
すべての希望が叶うということはないと思っていたほうがいいでしょう。
あなたが勤務先に求める条件に優先順位をつけ、どこからであれば妥協できるかということを事前に考えておくことが大切です。
また、転職活動の進め方も重要です。
いつまでに転職するのかという目標を定めると、やらなくてはいけないことが見えて時間を有効に使うことができます。
「絶対に転職するんだ」という強い意志をもって前向きに活動しましょう。
転職を人任せにしない~あなたにできること
看護職の転職には民間の人材紹介企業が進出するなど、第三者のサポートを受けることができます。
便利なサービスも多く利用する人も多いですが、ついつい人任せになり、希望の求人があったらとりあえず応募してみようと転職を気軽に考えてしまうこともあります。
しかし、このような状況で転職活動を行うと入職してから後悔することになるかもしれません。
応募する前に自分にできることがないか考えましょう。
例えば、
- 希望する求人施設に知人がいないか、いれば情報を集める
- 求人施設のHPをチェックする
などです。
日頃からアンテナを張って情報収集することを心がけましょう。
「誰のための転職なのか」を考え、人任せにしない転職活動で成功を勝ち取りましょう。
おわりに
eナースセンターについておわかりいただけたでしょうか。
転職方法を選ぶのも転職活動をするのもあなたです。
あなたに合った転職方法を見極めて自主的に活動してほしいと思います。
あなたの転職が成功することを祈っています。
自分の将来のキャリアになんとなく不安な看護師さんへ
キャリアアップや働き方の見直しを考えつつ、どこから始めればいいのか迷うこと、ありますよね。
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