産業保健師の給料は一体どのくらいなのでしょうか。
病院勤務の看護師や、保健師のなかでも行政保健師、学校保健師と比較した場合どのくらいの差があるのでしょうか。
これから産業保健師を目指す方にとっては、企業での仕事内容に応じた給料がどのくらいなのか気になるところでしょう。
特に病院看護師からの転職を考えている方には、働き方が異なるため、今よりも給料が下がるのではないかと不安に思う方が多いのではないでしょうか。
この記事では産業保健師の給料事情を紹介していきます。
企業における仕事と給料、待遇を理解し、ぜひ自分の理想に近い就職先を探しましょう。
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産業保健師の給料はいくら?
平均月収は35万円
産業保健師の給料の平均額は、月収で約35万円、年収で500~600万円が相場です。
しかし、これはあくまでも平均額ですので、個人の経験数や年齢により異なります。
さらに、産業保健師は就業する企業により大きく額が変わります。
(参考:ナースなワタシのお給料)
産業保健師の給料は就職先の企業によって差がある
産業保健師は企業に就職するので、その企業の従業員という立場になります。
そのため、給与体制も社内規定に準じるため、企業規模や業績、雇用形態により、給料の幅も大きく変わります。
現在企業で保健師を置いている場合は上場企業などの大企業が多く、その正社員として採用されれば、給与体系も高くなる可能性も十分あり得ます。
給与面だけを重視するなら、そういった企業が就職先としてお勧めです。
中小企業の勤務でキャリアも少ない20代だと、平均年収300万円の産業保健師もいれば、大企業でキャリアを重ねて50代で平均年収1000万円以上の産業保健師もいます。
では、実際に産業保健師として働いている人の声はどうでしょうか。
(参考:平均年収.JP)
年齢や企業によって、給料に大きな差があるのがお分かりいただけると思います。
産業保健師は夜勤なしで給料アップ
病院看護師からの転職の場合
病院勤務の看護師の平均月収は32万円、年収は約470万円が相場です。
産業保健師の平均年収と比較しても、さほど差がないように思われます。
もし、病院勤務の看護師からの転職を考えている場合、産業保健師を目指す理由を考えてみましょう。
仕事内容が魅力的?
夜勤がなく、土日休みで働きやすい勤務形態?
お給料が高そう?
日勤で夜勤がないことを考慮すると、病院看護師よりも勤務時間が短く身体的負担は、軽くなります。
お給料面で言えば、病院勤務時にどのくらいの夜勤手当があったかによっては、必ずしも産業保健師が高収入だとは言い切れません。
どこに重点をおいて転職するのかを考え、給料の実態を見てみましょう。
夜勤がないため仕方ないが、看護師で大学病院に勤めていたときより、お給料は大幅に下がりました。(そのぶん、身体的な疲労は少ないのでしかたないですね)
引用:保健師の仕事の本音
(30歳・女性:年収400万円以上500万円未満)
行政保健師、学校保健師との給与の違い
保健師の中でも勤務先が異なる行政保健師と学校保健師の給料はどのくらいでしょうか。
行政保健師の平均月収は30万、平均年収は450~550万円、学校保健師の平均月収は25万、平均年収は300~400万円のようです。
行政保健師は公務員のため、年数を重ねていくほどに確実に給料もアップします。
しかし、その地域の地方公務員給与形態に準ずるため、市町村保健師よりも都道府県保健師のほうが高収入である傾向が見られます。
学校保健師の場合、学校により待遇も変わるため、公立よりも私立や大学付属学校のほうが高収入である場合が多くなっています。
こちらも勤続年数により年収は増加傾向にあります。
行政保健師、学校保健師と比べると、産業保健師は大企業への就職が多いことから、平均年収としては若干、高いという位置づけにはなっていますが、どの立場においても勤続年数が大きく影響しています。
非正規雇用の給与はほぼ時給制
派遣やパートで産業保健師として働く場合、ほとんどが時給制になります。
時給額は1500円~2200円が相場で、勤める企業や、首都圏に近いほど高いなど就業地域により異なります。
●非正規雇用(東京都 パート勤務:8時半~15時半)
(参考:ナースなワタシのお給料)
高収入で働きたいなら
産業看護師より産業保健師のほうが高収入
産業看護師は看護師免許のみでもなることができますが、保健師資格を持つ産業保健師のほうが給料が高いのでしょうか。
募集している全ての企業で、産業保健師と産業看護師の給料の違いを明記してはいませんが、下図のように資格による待遇の差を明記している企業もあります。
●<パナソニック健康保険組合/産業看護職(正職員)>募集要項
(参考:パナソニック健康保険組合 採用情報)
年収アップは勤続年数がカギ
正規雇用の場合、1-(2)で挙げたように、勤続年数により年収がアップする傾向が多くみられます。
産業保健師の場合、企業内で役職がつき、昇進するという例はほぼ見られませんが、ほかの社員同様に昇給の対象として働きぶりを見られることもあります。
しかし派遣や契約社員のような非正規雇用の場合、勤続年数に比例した昇給は望めない可能性が高いので注意しましょう。
「正社員」でなく、嘱託なので、給与形態が微妙ではっきりしない。そのせいか昇給も一定ではない。
引用:保健師の仕事の本音
(49歳・女性:年収400万円以上500万円未満)
産業保健師を目指す際の注意点
企業は、経済動向の影響が大きく業績に関わってきます。
安定した行政保健師(公務員)や病院勤務とは異なり、業績によっては、ボーナスが多い年や、大幅カットもしくはボーナスなしという状況も考えられることを肝に銘じておきましょう。
産業保健師の求人は希少
産業保健師を導入している企業が今のところ、大手企業の一部であり、さらに1企業1名体制であることが多いため全体の募集が少ないのが現状です。
そのため、求人募集を見つけることが成功のカギとなります。
求人探しについてはこちらを参考にしてください
産業保健師の希少求人の見つけ方と注意するポイント
おわりに
大手企業だから、確実に年収が上がるなど給料面の安易な期待だけで、産業保健師を目指すのではなく、仕事内容をしっかりと理解した上で、その仕事に従事したいという気持ちが大事です。
就職した企業で何をしたいのか、どのようなことで企業の役に立ちたいのかやりがいをどこに感じるのかを明確にして産業保健師を目指しましょう。
看護師全体の給与に関する内容はこちらの記事をご覧ください。
看護師の給与事情【平均年収478万円】-お金より大切なこと