今は急性期病棟の外科に配属されているけど自分には内科看護師の方が向いているのではないか?
もう少しじっくり患者さんの看護をしたい、内科の看護師を目指すべき?
今までと全く違う分野の内科に配属が決まった、どんな事を勉強したらいいの?
日々看護師として働いていると、今よりもっと向いていそうな診療科が気になったり、突然経験が無い内科に配属が決定したなどで、自分の今後に不安を感じる事もあるのではないでしょうか。
内科はどちらかというとゆったりしたイメージがあるけど実際働いたらどう感じるのか?
仕事内容ややりがいは?
など、働いて見なければわからない内科看護師についての実情を体験談を通してお伝えします。
仕事内容を知り、自分の性格に合っているかを判断して頂き、内科の看護師を目指すかどうかの参考にして頂けたらと思います。
今後内科で働く事になったら役立つ勉強のポイントや仕事での大変な部分、効率的な求人検索方法もお伝えしますので、転職の際や内科で働く事になった際はぜひ記事を役立てて下さいね。
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内科の特徴と看護師の役割
- 主に身体の臓器(内臓)を対象とする
- 一般に手術によらない方法での診療とその研究を行う医学の一分野
医学において古代よりその基礎中心ともいえる領域です。
外科は手術や傷の手当といった外からのアプローチによる治療を行い、内科は主に投薬による内部からのアプローチによる治療を行います。
(参考:Wikipedia )
内科の特徴【患者さんにとって身近な診療科である事】
一口に内科と言っても様々な種類があります。種類はわかれていますが内科の特徴は
- 患者さんが体調に関して不安を覚えた時にまず一番に足を運ぶ身近な診療科である
- 慢性疾患を扱う事も多く、外科よりも入院や通院の期間が長い
- 入退院を繰り返す高齢の患者さんが多い
という事があげられます。
内科は一般内科・専門内科があり種類は多数
- 内科系疾患全般を幅広く診ることを基本としている
- どの領域の疾患か特定するのが困難な患者さん、複数の内科系疾患の総合的な診断や治療が必要な患者さんの初期診療(プライマリ・ケア)を行っている
【一般内科の主な診療内容】
- 急性疾患
風邪、インフルエンザ、扁桃腺炎、肺炎、気管支炎、
胃腸炎(腹痛、下痢、吐きけ)、膀胱炎、めまいなど
- 慢性疾患
生活習慣病(糖尿病、高血圧症、痛風)、
貧血、頭痛、便秘症、花粉症 など
不調の原因がわかり専門の治療が必要とされた患者さんやその疑いがある患者さんが診療対象となります。
- 一般内科からさらに診療科を細分化し、特定の部位を専門的に診察、治療、改善を目的としている診療科
- 「神経内科」「内分泌内科」「循環器内科」「呼吸器内科」「糖尿病内科」「消化内科」などがある
(参考:梶ヶ谷クリニック )
内科看護師の仕事内容や役割
風邪やインフルエンザなどの急性疾患の他、生活習慣病のため病気と長く付き合う事になる慢性疾患の患者さんもいらっしゃいます。
どちらの場合も患者さんの不安を少しでも和らげ、医師の診察をスムーズに行い、治療が適切に行われるための介助を行います。
内科看護師の仕事内容
- 医師の診察、治療の介助
検査のための採血・点滴・注射、患者さんへの説明補助など - 入院患者さんの入院中の看護
バイタルチェック、体位変換、清拭、おむつ交換、口腔ケア、食事介助、検温など - 栄養指導や内服管理、体調改善に向けた生活指導を行う
風邪やインフルエンザの急性疾患の回復に向けた栄養指導、薬の飲み方、生活習慣病の改善に向けた生活指導 - 傷口の小さい内視鏡やカテーテルを使用した術前後の看護ケア
内科でも循環器内科や消化器科などでは手術を伴う場合があります。
(参考:ナースときどき女子 看護のお仕事)
(参考:看護師お悩み相談室)
内科看護師の役割【信頼関係を築きアセスメント能力を発揮する】
患者さんやその家族、医師との良好な関係を築き、病気の完治、改善に向けて診察や治療が円滑に進むようにサポートしていく事が看護師の役割となります。
生活習慣の乱れから病気を発症する場合が多いので、再発防止や生活習慣の改善を指導し、また同じことを繰り返さないように先を見据えたケアも大切になってきます。
【コミュニケーション能力やアセスメント能力が大切】
- 患者さんとのコミュニケーションを築き、医師へ繋げる
- 目で見てわかる急激な変化だけでなく、会話やバイタルサインの少しの変化から適切な看護ケアへ繋げる
内科看護師はゆったりした性格に向く!?体験談から考察
内科は経過を観察しながらじっくり看護をしていく部分が多いため、回復や退院の周期が早い外科と比べると一人の患者さんと関わる時間が多い傾向にあります。
性格による向き不向きもこういった点から分かれてくるようです。
内科看護師のやりがい
外から一見してわからない患者さんの中でリアルタイムに起こっていることをアセスメントするところですかね。まあ、外科でもそうでしょうけれど。たしかに相手は認知症の高齢者が多いですね。
しかしそれゆえ、患者さんからは訴えない、訴えられないことが多く、ちょっとした言動や視線などから、異変や訴えたいことを敏感にキャッチする必要があり、そのあたりにやりがいを感じます。
引用:看護師お悩み相談室
長期入院になりやすい&入退院を繰り返す方も多いせいかご高齢の方やご家族とお話する事も多く、自分自身の看護の知識や力量、人柄を試されているような気がしますね、自分の言葉の重みを感じさせられるときにやりがいみたいなものは感じるときもありますね・・信頼関係が患者様と出来てるんだなって。
引用:看護師お悩み相談室
内科看護師の悩みや大変なこと
内科は経過がゆっくりだし、業務もケアが中心になりますよね。急変もほとんどないので、毎日同じことの繰り返し・・・になってきている気がします。外科系に行った友達は、「内科と比べて外科は入院の周期が早い」といいます。それに周術期看護にも興味があります。ナースにも、内科系タイプと外科系タイプがいるみたいなんですが、私はたぶん外科系なんですよね。性格も男っぽい感じだし、白黒ハッキリさせたいタイプだし。
引用:看護roo!ナースカタリーナ
どうしても、やりがいがないのです。外科みたいに処置はないし、介護みたいなことか、ライン挿入清潔ケア、褥創処置、検査やCV(中心静脈カテーテル)介助ばっかり。そして老人がほぼ全員。認知症も多いです。重労働です。でも、患者さんは好きだしのんびり急変もあまりありません。あったとしても、蘇生を希望されない方も多いです。
内科も看護であることはかわりないし、患者さんにとって大切なとこであるのはわかるのですが・・・
同期には、『内科ナースは仕事できない、急変とかでは全くうごけない』といわれ、早々に異動を申し出たほうがいいともいわれています。このままここにいると、積み上げたものを忘れそうで怖いです。また、このまま内科にいて、内科で学んでいくのは、時間の無駄にも感じます。
引用:看護師お悩み相談室
内科看護師の向き不向き
継続した看護が必要となる内科看護師の向き不向きをまとめました。
- 1人1人の患者をゆったり・じっくり看護したい人
- 患者さんとの長期にわたる関わりを大切に出来る
- 患者さんをいつも気にかけ、少しの変化でも気づくことが出来る
- 変化の少ない長い看護を根気強く患者さんと共に進めることが出来る
+どちらかと言えばゆったりおおらかな性格をしている
- 回復や退院までの周期が早くスピードがある業務の方が好き
- 長く患者さんと関わるより日々人間関係の変化がある方がいい
- 治療後の回復が目に見える方がやりがいを感じる
- 体位変換、清拭、おむつ交換などの介護に近い業務よりも外科的処置に魅力を感じる
+せっかちな性格の方や、その場でハッキリ白黒を付けたい性格の方
てきぱき、白黒はっきりタイプは外科、ゆったりマイペースなタイプは内科という事もよく言われる意見です。
ですが、中には性格に関わらず内科のやりがいを見つけている方もたくさんいらっしゃいます。
大切なのは内科で働いたらその現場なりのやりがいを見つけていけるかどうかだと思います。
【性格に関する意見】
私も、内科向きと言われてきました。
引用:看護師お悩み相談室
だけど内科で働いている時になぜか物足りなさを感じて、思いきってまた外科に戻りました。毎日大変ですが、やりがいは大きいです。
外科は向かないと他人に言われても実際やってみないと分かりません。結局大切なのは自分のやる気次第なんだなと通感してます。
内科看護師に役立つ勉強
内科看護師におすすめの本
内科に看護師におすすめの本を先輩方の声からご紹介します。
呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、腎臓内科、神経内科…など分野がわかればその分野の一般的な疾患の本に目を通すといいかも。
内科全般であれば、大体ベースに糖尿病がある人が多いので糖尿病について、特にインスリン注射や内服薬について最近の看護雑誌で情報を入れておくといいかも。
引用:看護師お悩み相談室
糖尿病ケア(メディカ出版)
(参考:Amazon)
薄っぺらいですが、糖尿病のガイドラインの本がありますよ。お勧めです。
引用:看護師お悩み相談室
糖尿病診療ガイドライン2016(日本糖尿病学会 (著))
(参考:Amazon)
一般的な解剖学と血液検査の正常値は基本だと思います。配置になってから各種検査の介助や目的は勉強していくことになると思います。
引用:看護師お悩み相談室
とんでもなく役立つ検査値の読み方(西崎 祐史 (著), 渡邊 千登世 (著))
(参考:Amazon)
内科看護師を目指す方へ「求人特徴」
給料について
- 基本給20万位~(経験を考慮)+各種手当+賞与
- 外科などの他の診療科の看護師と差はない
- 消化器内科などの専門内科も同じ
【一般内科の給料例】
(参考:看護roo! 医療法人 和伸会 和田内科病院)
【循環器・消化器内科の給料例】
(参考:野田循環器・消化器内科外科クリニック)
求人数について
例として看護師転職サイトを利用すると、比較的探しやすい求人と言えます。
参考までに下記は主な転職サイトの内科の求人数ランキングになります。(2024年11月時点)
- 特定の診療科に絞ると数は限られてくる
このように、自分の希望を考慮しながら求人検索をすることはとても大変な作業であることが予想できます。
効率的な求人検索方法
先に述べたように、内科看護師の求人は希望の診療科、勤務形態、2交代制にするか3交代制にするかなど希望が多ければ多い程、求人数が限られてきます。
1つ1つの求人票の確認、病院のホームページなどから職場の雰囲気の確認などを行うには膨大な時間がかかることが予想されます。
そこでおすすめなのが、インターネットを活用し、看護師転職サイトを利用した求人検索や転職活動です。
会員登録をすればプロのキャリアコンサルトによる看護師の転職に関する様々なサポートを無料で受けることが出来る、看護師の求人に特化した人材紹介のサービスです。
求人検索の利用だけでなく、相談する事で病院の情報を得ることが出来ます。
- 希望を細かく絞り込むことが簡単に出来、自分の希望する病院を見つけやすくなる
- 気になる病院があった場合、忙しい自分に変わりプロの転職カウンセラーが職場の雰囲気、忙しさ、希望の給料額の交渉などの「気になるけど聞きづらい事」を確認し、転職のサポートをしてくれる
- 自分の希望に沿った求人情報を紹介してくれる
- 応募が殺到するためにあえて非公開にしている非公開求人情報も知ることが出来る
- 面接対策や履歴書の添削、入職後の悩みをサポートしてくれる
*看護師転職サイトの便利な点は、下記のように、常勤か日勤のみか、希望する診療科、各種手当、希望給料額などの細かい設定が簡単に出来る事です。(サイトにより絞り込み設定は変わる)
(参考:ナースではたらこ)
一人で転職活動を進める時間や手間をなるべく省きたい、サポートを受けながら転職活動をしたい方
看護師転職サイトの活用法はこちらも参考になさって下さい。
→看護師転職サイトランキング【20種の求人条件で比較してみた結果】_看護師転職サイトを利用した場合
求人チェックポイント5つ
自分で聞きづらい事は看護師転職サイトのカウンセラーに相談し、事前に疑問点を解決しましょう。
入職してからこんなはずじゃなかったと後悔しないように、積極的に転職サイト内のサービスを利用しましょう。
【①配属先の確認】
- その病院の併設している診療科の確認
- 病棟の場合、内科希望の配属は叶うか
- 病棟の場合、外科、整形、小児、内科、眼科などとの混合病棟に配属の可能性
(参考:医療WORKER 松本内科循環器科医院)
(参考:医療WORKER 国家公務員共済組合連合会 吉島病院)
内科の求人を検索すると病棟全体の求人の中に内科の診療科が含まれて候補に挙がってくる場合があります。
そういった場合は内科を希望している事をまず伝え、希望が通るのか確認しましょう。
また、●●内科と看板を掲げている病院の求人にも一般内科や専門内科、他の診療科が併設されている場合が多く、そういった病院では一般内科の知識とさらに他の診療科の幅広い業務や知識が求められます。
混合病棟も様々な患者さんを全て看護するので「ゆっくり・じっくり看護」の内科とはイメージがかけ離れてしまうかもしれません。
内科の混合病棟(循環器系、脳神経内科、透析科)に配属されました。実際に働いてみるとやはり混合病棟はいろんな医者のコンタクト難しいし、緊急入院がとにかく多い病棟で嫌になっちゃいました。2年働いて辞めました。
引用:看護師お悩み相談室
看護師転職サイトを利用すれば「希望するのは内科」という所から合う求人を紹介してもらえるので、カウンセラーにまず相談してみるのも手段としてお勧めします。
【②施設の雰囲気】
- 施設見学は出来るか
- どんな雰囲気の病院か(自分に合っていそうか)
(参考:静岡市立静岡病院)
(参考:下関医療センター)
ホームページで先輩看護師の声や病院の理念、取組みを確認すると、病院の雰囲気が伝わってきます。
履歴書の作成にも役立ちますし、何よりずっと働く職場ですから自分に合っていそうか確認しましょう。
一番は施設見学が出来ると肌で確かめることが出来ます。
実際に行けば、働いている人の表情や患者さんへの接し方など病院の姿勢が伝わってくるものです。
見学が出来るかわからない場合は、看護師転職サイトの担当カウンセラーに相談してみましょう。
【③お金について】
- 基本給の確認
- 各種手当の金額
- 退職金や賞与の回数や有無
- 社会保険加入か
基本給は経験を考慮され相談によりスタート金額が変わる場合があります。
その他にも、クリニックであれば賞与や退職金は記載がない場合もありますし、社会保険完備であれば厚生年金を会社が半分負担してくれますが、クリニックは個人事業主(自営業)なため、全額自己負担の医師国保や国民年金保険加入になる場合もあります。
クリニックに関する詳細はこちらの記事も参考になさって下さいね。
【④クリニックや外来の場合の仕事内容】
- レントゲン介助やセッティングの有無
- 1日の大まかな流れや受け持つ患者数を事前に確認する
クリニックでは検査技師がいない場合はレントゲンのセッティングなど、病棟の看護師がやらない業務も加わる場合があります。
看護師数も限られるため、こちらもゆっくり・じっくり看護がしたいというイメージからはかけ離れる場合があります。
外来での勤務も、時間内に様々な患者さんの診察介助をするため、内科といえども忙しい現場となるでしょう。
内科クリニックにしばらく勤めていました。まずは医師の診察介助。心電図、レントゲンセッティング。採血、市の健康診断。インフルエンザの予防接種。レントゲン液作成と、物品管理。一人勤務が多いので、一人パタパタ動く回る感じです。
引用:看護師お悩み相談室
外来勤務中は、自分の知識や経験も少なく、限られた時間の中で瞬時に適格な判断ができず、当時は患者さんの呼び込み、待ち時間のクレーム・担当医師の八つ当たりや愚痴・先輩Nsからの注意・カルテ捌きで、『外来Nsの仕事っていったい何?』と日々自問自答していました。私は患者さんとゆっくり向き合い関わりながらケアをすることが好きなので、自分は病棟向きだと感じています。
引用:看護師お悩み相談室
外来看護師に関する詳細はこちらの記事も参考になさって下さいね。
【⑤新人に対する教育制度】
- 新人でも応募可能か
- プリセプター制度や教育制度はあるか
まとめ
内科はゆっくり、じっくり継続的な看護が出来る職場で、一人一人の患者さんと深く関わりたい看護師さんにはとてもやりがいのある職場です。
そういう部分が自分に向いていそうだと内科を目指しても、病院選びを間違えると自分の理想とした職場ではなくなってしまう可能性もあります。
記事を参考に、自分が目指す看護はどういったものか、内科に本当に向いているか改めて考えて頂き、後悔しない職場を見つけて頂けたらと思います。