HCUで働いてみたいけれど、
「興味はあるけど実はICUとの違いもよくわからない」
「大変そうだけど実際どうなの?」
そんな疑問をお持ちの看護師さんは多いのではないでしょうか。
今回は、そんな方に向けて
- HCUでの仕事内容
- 実際に働く看護師さんからの声
をお伝えします。
記事を読んでいただければ、スキルアップや転職のきっけがつかめるはずです。
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HCUの特徴や看護師の役割
HCUとはICUと一般病棟の中間
ICU(集中治療室)と一般病棟の中間に位置する病棟で、ICUよりもやや重篤度の低い患者を受け入れる治療施設。
手術直後の患者などを一時的に収容する。
(参考:デジタル大辞泉)
HCUはICUよりやや緊急度が低い
- ICU(集中治療室)よりもやや緊急性や重症度の低い患者さんが収容され、一般病棟とICUの中間地点に位置づけされる
ICUに収容されていた患者さんで、やや病態が落ち着いたものの引き続き集中的な治療が必要な患者さんを受け入れ、更に状態が良くなった時点で一般病棟に戻っていただいたり、反対に状態が悪化した一般病棟の患者さんを受け入れたりします。
引用:http://www.nurse-community.jp/
その他、手術後の管理が必要な患者さんや、救急外来からの緊急入院患者さんを受け入れることもあります。
ICUの看護師に関する情報はこちらも参考になさって下さい。
→※ICU看護師の求人はごく少数|ハードな実態とその役割
HCUの看護師の役割や特徴
一般病棟に戻れるまで回復出来るよう、患者さんの身体と心をケアしていくこと
- HCUは、集中治療室(ICU)から一般病棟への橋渡し的な役割を担っています。
- 看護師は、患者さんが一般病棟で過ごすことができる状態まで回復できるよう、循環・呼吸動態などを24時間モニターで観察しながらベッドサイドでの看護ケアを徹底して行っています。
- 看護必要度・重症度が高い患者さん対象の病棟だけに患者さんやご家族の不安が大きいので、安全の確保に注意しながら不安が軽減され安心して治療に専念していただける環境を提供できるよう心がける必要があります。
(参考:国立循環器病研究センター 看護部専用サイト)
(参考:浦添総合病院)
【特徴① HCUで働く看護師は、ICU勤務に準じた知識や技術が求められる】
一般病棟とICUの中間地点がHCUであるとはいえ、各科からのオペ後の患者さんや、急変患者さんを受け入れるため、業務は一般病棟よりもICUの方に近い部分があります。
【特徴② 患者さんの滞在期間は短く、看護師は忙しく責任も大きい】
滞在期間も短く、高度な治療が集中的に行われているため、医療機械の取り扱いや小さな変化も見逃さない観察力が必要となる、忙しく、その上責任も大きい部署であると言えます。
(参考:http://www.nurse-community.jp/)
【特徴③ 看護師配置基準→HCUは4:1、ICUは2:1、でも仕事内容はICU並の場合もある】
HCUですが、ICUは心外のオペ後しかとらないため、院内急変すべて入ってきます。
引用:看護roo!ナースカタリーナ
消化器のオペ後もきます。循内の急患もきます。
HCUという名のICUですね。ひどいときは全員機械をつけていたり。
それでもHCUなので4:1で働くという…大変です。(ICUの看護師配置基準は2:1)
重症な患者が沢山いても4:1看護です。
引用:http://www.nurse-community.jp/
正直、自分が倒れてしまうかもしれないくらい大変でした。
【特徴③ 様々な重症疾患の患者さんに対応しなければならない】
一般病棟のように消化器なら消化器、循環器なら循環器ばかりの患者がくるわけではありません。
引用:http://www.nurse-community.jp/
病棟に転棟できそうな患者を診るんじゃないのかよ!っと突っ込みどころ満載です。
仕事内容
HCUは患者さんの入れ替わりも多く、忙しい部署です。
急患・急変患者さんの対応もしながら、HCUに滞在する患者さんの身の回りのお世話をしていきます。
一般病棟に戻れるまで、モニターの情報や自分の目で患者さんの状態を常に確認しています。
【仕事内容】
カルテによる情報収集、引き継ぎ |
状態確認・環境整備 *直接ベッドサイドへ行き、点滴やドレーンなどのチェックを行う *手術後の患者さんや免疫力が低下している患者さんが多いため、より念入りに消毒清掃作業をして清潔な環境の整備に努める |
バイタルチェック *体温・血圧・脈拍などを計り、患者さんの状態を観察 *CT・MRIの画像などから病態を理解し、観察ポイントを絞る |
呼吸器管理や処置、清拭ケア |
検温や保清 |
転出準備 *手術後、全身状態が安定した患者さんは一般病棟に移るため、 途切れない継続した看護が提供できるよう、病棟看護師に申し送りをする |
転入受け、オペ迎え *手術後の患者さんが入室するため、手術室に迎えに行き、手術室看護師から申し送りを受ける *手術後の患者さんはささいなことでも全身状態に変化を及ぼす可能性があるため、注意深く、繰り返し観察する |
カンファレンスによる情報共有 |
入院説明 *HCUに入られた患者様のご家族に対し、HCUについての説明や面会時間の案内などを行う |
看護記録、申し送り |
(参考:多根総合病院)
HCUで働く看護師の体験談
やりがいや魅力
- 医療知識が身に付くことや医療機器の取り扱いが出来るようになる、アセスメント能力の向上など、スキルアップできる部署である
- 患者さんが一般病棟に戻るまでの回復を実感できる
- 意識のない患者さんばかりではないため、コミュニケーションも取ることが出来る
- 一般病棟では経験できないことが体験できる
一般病棟では味わえないような経験や、看護技術の上達にやりがいを感じています。
引用:http://www.nurse-community.jp/
今後も自分の技術に自信を持てるように業務を行いたいと思っています。
ICUみたいに沈静をかけたり、人工呼吸器を装着されている患者さんばかりではありません。
引用:http://www.nurse-community.jp/
コミュニケーションとれる患者さんも多かったので、コミュニケーションをとりながら看護することも可能です。
なので、「ありがとう」という言葉が聞けたりします。感謝してもらいたいから看護師をやっているわけではないですが、患者さんからの「ありがとう」は嬉しいですし、やりがいにもなっていますね。
大変な部分や悩み
- 一般病棟での経験だけでは追いつかない部分があり、初めは辛く感じる
- 医療機器の多さ、対応する疾患の幅広さなど、勉強することが山ほどあって大変に感じる
- 患者さんの入れ替わりも多く、やることが多くなり忙しい。残業が多い場合もある
- 本来はICUで受け入れるような重症患者さんも対応する場合がある
一般病棟→HCUに移動したけどあまりの自分の知識のなさや仕事のできない状態にホントに凹みまくりでもう正直、一般病棟に戻りたい気持ちでいっぱいです。
引用:看護師お悩み相談室
今年HCUへ異動になったばかりのものです。
主な患者さんは循環器内科の重症患者さんや各科オペ後の患者さんが多いです。
やはり循環器の患者さんだと使用する薬剤が多く微量投与も必須のため、一人の患者さんに5台以上シリンジポンプや輸液ポンプがついているのがザラにあります。
それに加え、人工呼吸器やその他ME機器を使用している患者さんが多くいます。
覚えることも沢山あるし、何しろ責任が重すぎて耐えられる自信がありません。
引用:http://www.nurse-community.jp/
私が働いているHCUは毎日のように患者さんの入れ替えがあり、タイミングが悪かったりすれば、看護師間の引継ぎの時間に患者さんの入れ替えがあるときもあります。
そんなことが日常茶飯事のためほぼ毎日のように残業があります。
ひどいときは4~5時間の時もありました。
別にさぼっているわけではありませんが、どうしても仕事が終わらないのです。
引用:http://www.nurse-community.jp/
HCUで働くために学んでおくべきこと
体験談から「こんなことを勉強しておいた方がいいよ」という分野をご紹介します。
参考サイトも掲載しますが、ご自分でも勉強してみて下さいね。
- 循環器系、呼吸器系の疾患に関する知識
- 12誘導心電図について
- 人工呼吸器の管理について
- Aライン(動脈内留置カテーテル)について
- IABPやCHDF、低体温療法など救急・集中治療分野での治療法の知識
HCUに異動してからというもの、Aラインはほぼ入ったままの入室ですし、呼吸器管理もしなければなりません。
はたまた大動脈内バルーンパンピング法(IABP)や持続的血液濾過透析(CHDF)、低体温療法なんかする患者もいました。
病棟勤務の時は想像もできなかったものばかりだったのを覚えています。
引用:http://www.nurse-community.jp/
循環器系、呼吸器系の知識は必須かと思います。
12誘導とったりも頻繁にありますし、人工呼吸器の管理なんかも必須です。
引用:http://www.nurse-community.jp/
HCUで働きたい【効率的な求人検索方法】
厚生労働省の平成24年の調べによると、全国8,565施設の病院のうち、わずか257施設しかありません。
(参考:中医協総会 主な施設基準の届出状況等)
(参考:厚生労働省平成24年(2012)医療施設(動態)調査・病院報告の概況)
HCUを有する施設が少ないということは、求人数自体も少ないということになります。
このような、求人数も少なく、専門的な部門への転職活動の際には「看護師転職サイト」の利用が便利です。
会員登録をすればプロのキャリアコンサルトによる看護師の転職に関する様々なサポートを無料で受けることが出来る、看護師の求人に特化した人材紹介のサービスです。
求人検索の利用だけでなく、相談することで病院の情報を得ることが出来ます。
「看護師転職サイト」についてはこちらの記事もご参考下さい。
- 「HCUで働きたい」という、自分の希望を相談することができ、自分に合った施設を紹介してくれる
- 検索条件を細かく絞り込むことが簡単にでき、自分の希望する施設を見つけやすくなる
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- 応募が殺到するためにあえて非公開にしている非公開求人情報も知ることができる
- 面接対策や履歴書の添削、入職後の悩みをサポートしてくれる
- 病院見学に同行してくれる場合がある
自分もHCUで働きたい、と感じた方は、一人で悩むよりも、プロのカウンセラーに相談したり、無料のサービスを賢く利用して転職活動を始めてみてはいかがでしょうか?
参考までに主な転職サイトのHCU求人数ランキングです。(2024年12月時点)
順位 | 転職サイト名 | 求人数 |
---|---|---|
1位 | 医療ワーカー | 249件 |
2位 | MCナースネット | 62件 |
まとめ
HCUは病院によってはまるでICUレベルの重症患者さんも診るなど、「一般病棟とICUの中間」という認識では追いつかないほど、責任もあり忙しく、幅広い知識や観察力が試される部署であるということがわかりました。
やってみたい、だけではなくある程度の覚悟や勉強が必要なようですね。
チャレンジしてみたいと思った方は、何年後かのスキルアップした自分を信じて、初めは大変でも乗り越えて頂きたいと思います。