心療内科の看護師に実は興味がある、そんな看護師さんはいらっしゃいませんか?
医療処置や看護技術の向上も頑張っているものの、自分も日々ストレスを感じる事もある看護師さんにとって、メンタル面の分野にも、少なからず興味・関心が出てくる事もあるかと思います。
転職するなら気になる心療内科はどうだろうとお考えの皆様に、今回は心療内科の仕事内容や働く上での実情をお伝えします。
記事を読んで、興味がさらに大きくなった時は是非転職活動に活かしてくださいね。
- 看護師転職サイトランキングTOP3 [PR]
心療内科の看護師の仕事内容や役割
心療内科に興味があると感じていても、実は精神科と心療内科の違いがわからない方もいらっしゃいませんか?
2つの違いからまずはご説明します。
心療内科とは【精神科と心療内科の違い】
様々なストレスが原因でおもに「からだ」に症状が現れる場合、その症状や病気を治療する科
- 強い動悸、下痢・腹痛・血圧が高くなる、喘息の症状などが現れ、内科を受診しても異常が見つからないのに症状は続く場合などに受診する
- 体調不良のきっかけが過去の強いストレスによる場合の相談・検査機関
- 心療内科は日本独自の診療科名で、海外にはない
- 1996年に、国が心療内科を標榜科として認めて以降、心療内科を掲げる医療機関が増えてきた
「こころ」の症状や病気を扱う科であり、「こころ」の病気そのものを治療する科
- 強い不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想といった症状の方が受診する
- 躁うつ病、統合失調症など、主に精神的な症状が強く現れる精神障害の治療を行う
*ほかに「神経内科」という科もあります。体の動きがおかしい、ふるえる、しびれる、傾く、力が入らない、めまいがするなど、神経系の異常が疑われる場合に受診します。
2つの違いはご説明しましたが、精神科ではハードルが高いという点から、気軽に精神科の患者さんも受診できるようにするために、精神科医が心療内科として精神科領域の疾患を診ていることが多いのが現状です。
精神科領域の疾患として代表的なものに、うつ病や統合失調症がありますが、本来の領域ではない心療内科でも受け入れています。
心療内科で勤務する看護師は、精神科領域の患者さんにも対応しなければならないということになります。
(参考:看護のお仕事 ナースときどき女子)
心療内科看護師の仕事内容
心療内科は、外来やクリニック・病棟内での精神科や神経内科との混合病棟がほとんどです。
クリニックであれば、院内の雑用も行います。
カウンセリングは治療・診察の一環として、看護師ではなく医師が行います。
*医師が必要と認めた場合は、臨床心理士によるカウンセリングも行う
- 点滴・点滴・注射の処置
- 医師の診療の補助
- 検査・診察介助
*病院によっては診察室には医師と患者さんのみで看護師は立ち会わないところもある - 問診
- 掃除や物品の発注
- 薬の管理・説明
- 各種治療方法の説明、生活指導
(参考:看護のお仕事 ナースときどき女子)
(参考:http://www.nurse-community.jp/)
仕事内容はほかの診療科とそれほど大きく変わりませんが、心療内科領域の疾患は、生活習慣や環境と深く関係している部分が大きいので、生活指導も重要なポイントになります。
医師も生活指導を行いますが、その人に合わせた生活リズムの細かい部分までの指導は、看護師の大切な業務の一つになります。
(参考:http://www.nursejob-irj.com/)
心療内科のクリニックで勤務していますが、看護業務としては問診・採血や点滴です。後は診察介助や診察している際にDrの所にいるという感じです。
引用:看護roo!お悩み掲示板
他はクリニックなので掃除や物品の発注とかもします。インフルエンザ流行前になるとワクチンの接種もします。
ウチのクリニックは医療法人社団のクリニックなので、院長・副院長・ナースは3名(常勤)・カウンセラー3名がいます。薬の処方を受け取る際には、クリニックの目の前にある薬局でして貰っています。
心療内科看護師の役割
【患者さんに安心感を与えると共に、コミュニケーションによって治療のモチベーションをあげること】
心療内科を受診する患者さんは、医療機関を受診するまでも様々な葛藤があります。
大きな不安を抱え、勇気を持ってせっかく訪れた医療機関で、まず初めに接する看護師が、安心感ややすらぎを与える事が大切です。
他の診療科とは違うのは、笑顔でニコニコ接する事が患者さんには「笑われている」と取られる場合もある事です。
相手がどう感じるか常に配慮しながら接する事が求められます。
- 患者さんに接する際には、他の診療科目の看護師よりもより一層配慮が必要となる
- 患者さんひとりひとりに合わせて接していく対人スキルがとても重要
(参考:看護のお仕事 ナースときどき女子)
患者さんとの距離のはかり方など、気を使います。ささいな笑い声も気にされる患者さんもおられるので、注意しています。
引用:看護師お悩み相談室
笑いながらの会話もできません。少し閉鎖的な空間かもしれません。
その場の空気を読んだり、相手が何を望んでいるのか、すべて相手中心に物事を考えないといけません。技術的な事、処置はあまりないのですが、こちらから声をかけ、対応しないといけないので、目が離せません。
心の診療になるので、目には見えない分、察する力が必要だと思いました。
心療内科看護師の体験談
やりがい・メリット
- コミュニケーションスキルが磨ける
- バタバタするような忙しさがない
- 心療内科で働くために特別な資格、精神科での勤務経験は求められない
- クリニックであれば夜勤はなくプライベートとの両立がしやすい
(参考:http://www.nurse-community.jp/)
【精神科・心療内科・神経内科を持つ精神科病院の看護師の声】
精神科には、言葉や表情では意思表示がしにくい患者さんがたくさんいらっしゃいます。それだけにコミュニケーションの難しさや奥深さを再認識させられます。
引用:米子病院
何気ないこちらの言葉ひとつで心を開いてもらえることがあれば、反対に心を閉ざされることもある。そこには緊張感がありますが、私自身のスキルを磨くチャンスでもあります。
悩み・大変なこと・デメリット
- 患者さんのカウンセリングや話が長いと残業になる事がよくある
- 医療処置も少なく、目に見えた回復がわかりづらいのでやりがいが感じられない事もある
- 患者さんの行動に他の診療科では経験していない、驚くような場面もある
とにかく患者様と話す時間が長いので、定時を過ぎても帰られないことは多々ありましたね。
引用:http://www.nurse-community.jp/
一般科と違い目に見えて回復するということは期待できない科でもあるし心を病んでいる患者さん相手なので感謝の言葉を聞く機会も少なくやりがいを感じなくなるときも・・・
引用:看護師お悩み相談室
初めてクリニックでの心療内科・精神科での勤務をすることとなりました。
引用:看護師お悩み相談室
先輩NSの体験談を聞いていると、待合室やトイレでリストカットなど、他の科にはない特殊性を感じます。
心療内科看護師の向き不向き
【向いている人】
- コミュニケーション能力にたけ、場の空気を察することが出来る人
- 長期的に患者さんに関わり、じっくりと看護をしていきたいと考えている人
- 患者さんに自分自身を投影させない、引き込まれ過ぎない人
(参考:看護のお仕事 ナースときどき女子)
患者さんと自分自身を「投影」させてしまい、患者さんとの関わり方を誤ると「依存」的な関係を形成してしまう可能性もあります。
引用:看護師お悩み相談室
難しいことではあると思いますが、私自身そこに精神科の魅力があると考えていますし、だからこそやりがいがあると思っています。
【向いていない人】
- 明るく元気なコミュニケーションは得意だが、空気を読んで察するやり方が苦手な人
- 患者さんに感情移入しすぎて自分まで気持ちが不安定になってしまう人
- じっくり長い期間関わるより、短期間で回復がわかる看護の方が好きな人
患者に傾聴はしても同調や共感はしない。毅然とした態度で接する。
引用:看護師お悩み相談室
引き込まれないでください。特にpersonality障害は対人操作が上手です。
心療内科看護師のスキルアップ【精神科認定看護師】
心療内科の看護師は特別な資格や精神科での勤務経験の有無は問われず働く事が出来ます。
しかし、働いていく中でもっと心療内科・精神科領域を極めていきたい、と思うようになった場合におすすめの資格をご紹介します。
賃金アップを目的とするというより、あくまで自身のスキルアップを目的とした資格です。
精神科関連の資格は認定先が2つあります。
どちらも精神疾患患者に対する看護の知識と技術を学んできたことが認定され、患者さんに質の高い看護を提供することが出来るようになります。
- 日本精神科看護技術協会が認定する資格
- 精神科の看護領域においてすぐれた看護技術と知識を得ることが出来る
【受験要項】
- 精神看護における5年以上の実務経験
- 所定の研修会や実習を経て認定試験に合格する必要がある
詳しくはこちら
- 日本看護協会が認定する資格
- 精神疾患患者に対して水準の高い看護を提供することが出来る
- 一般病院でも心のケアを行う「リエゾン精神看護」の役割を提供する
*「リエゾン(liaison)」とは、橋渡しをする・連携する・つなげるという意味
精神科看護の知識や技術を持ち、障害や疾患をもつ患者とその家族に精神的ケアを行う看護師のこと。他診療科の看護師などと連携し、質の高い看護ケアを提供する役割を果たす。また、看護師の相談にものり、看護師のメンタルヘルス支援も行っている。
(参考:看護roo!用語辞典)
【受験要項】
- 看護系の大学院で修士課程を修了し、かつ同協会の専門看護師境域課程基準所定の単位の取得が必要
- 5年以上の実務経験があり、そのうちの3年以上は、精神科における実務経験が必要
詳しくはこちら
認定看護師
- 臨床現場で水準の高い看護技術を実践できる「臨床現場におけるエキスパート」
専門看護師
- 患者の直接ケアと医療者の連携をはかる「看護ケアのスペシャリスト」
(参考:専門看護師と認定看護師の違いがわかる!自分に合ったキャリアアップを知る方法)
日本看護協会の認定看護師や専門看護師に対しては、領域によっては研修を日勤扱いにしたり、僅かですが、手当を付けている所もあります。
引用:yahoo!知恵袋
しかし、日本精神科看護技術協会の精神科認定看護師に対しては、精神科がある病院あるいは、精神科が主の病院でも一切の病院側の援助はない状態です。
精神科認定看護師をとることで、それを活かした仕事はできるかと思いますが、給料面などの評価はされません。
日本精神科看護技術協会の精神科認定看護師は残念ですが現時点では評価が低いというのが現状です。
費用という面から見合うかどうかは、その身につけられた知識でどれだけ沢山の患者様の看護に役立てるかどうかだと思います。
心療内科看護師の求人について
給料について
- 基本給 20万前半 +各種手当 + 賞与と、他の診療科の看護師と変わらない
- 入院設備がある場合は夜勤もあり手当も発生する
- クリニックであれば病院により、月給30万など高給な場合もある
【入院設備がある病棟の給料例】
(参考:医療法人社団 心明会 中村病院)
【クリニックの日勤のみの給料例・月給30万の場合もあり】
(参考:とらばーゆ 看護医療法人社団讃友会あべクリニック)
求人数について
看護師転職サイトを利用し、「正看護師 全体」の求人数と「心療内科 正看護師」の求人数を比較した所、
- 求人割合は「正看護師の全体」に対して平均4.3%しかなく、求人数が非常に少ない
という事がわかります。
*全国の医療施設総数177,546件に対し、心療内科を有する施設は1,061件と0.6%しかなく、施設数自体が非常に少ないため求人数も少なくなる
(参考:厚労省統計調査 医療施設調査)
正看護師 全体 | 心療内科 正看護師 | 求人割合 | |
マイナビ看護師 | 13,539件 | 455件 | 3.4% |
平均数 | 10,066件 | 431件 | 4.3% |
効率的な転職活動
先に述べたように心療内科の看護師の求人数は非常に少ないため、求人を探すには時間と労力がかかる事が予想されます。
そんな時におすすめなのが看護師の求人に特化した「看護師転職サイト」の利用です。
会員登録をすればプロのキャリアコンサルトによる看護師の転職に関する様々なサポートを無料で受けることが出来る、看護師の求人に特化した人材紹介のサービスです。求人検索の利用だけでなく、相談する事で病院の情報を得ることが出来ます。
- 「心療内科でこんな風に働きたい」という相談をすることができ、自分に合った施設を紹介してくれる
- 検索条件を細かく絞り込むことが簡単に出来、自分の希望する施設を見つけやすくなる
- 気になる病院があった場合、忙しい自分に変わりプロの転職カウンセラーが職場の雰囲気、忙しさ、希望の給料額の交渉などの「気になるけど聞きづらい事」を確認し、転職のサポートをしてくれる
- 応募が殺到するためにあえて非公開にしている非公開求人情報も知ることが出来る
- 面接対策や履歴書の添削、入職後の悩みをサポートしてくれる
- 病院見学に同行してくれる場合がある
求人チェックポイント
- 病棟勤務にする?クリニックにする?
病棟勤務であれば夜勤もあります。また、クリニックでも診療終了時間が20:30など遅い場合や給料金額に各施設で差がありますので、事前確認が必要です。
- 心療内科の他に掲げている診療科の確認
心療内科を有する施設は精神科や神経内科の他、内科をはじめとした他の診療科も併設している場合が多いです。他の診療科とも携わるため勉強が必要になったり、以前の経歴が活かせたりする場合があるでしょう。
- 付随する仕事内容の確認
訪問看護や検診業務がある病院もあります。こんな業務があるなんて面接で初めて知った、イメージしていたより忙しい、など食い違いが出ないように事前に確認しておきましょう。
病棟ではなく、クリニックという特殊な部分・また、精神科・心療内科は初めての分野で何を勉強したら良いか分かりません。訪問看護にも行くみたいですが・・・
引用:看護師お悩み相談室
精神を病んでいる人達にクリニック・訪問看護という短い時間での人間関係の構築も、難しいんだろうな・・・と、不安だらけです。
うちのクリニックは心療内科以外にも、循環器内科(先生がもともと循環器内科出身なので)や一般内科、企業検診も受け入れています。
引用:http://www.nurse-community.jp/
そのため検診時期にはてんやわんやで、心療内科っぽくない騒々しさとなります。
看護師転職サイトを利用すれば、担当者が各施設ごとの給料や休日、福利厚生、人間関係など自分で聞きづらい事も確認してくれます。
また、心療内科という独特の世界を持つ分野なら、病院見学に同行してもらい事前に雰囲気を確認できるのもうれしいサービスです。
かしこく看護師転職サイトを利用すれば時間と自分で全て調べる手間が省けるのでお勧めです。
【転職サイト】心療内科の看護師求人数ランキング(2024年11月時点)
順位 | 転職サイト名 | 求人数 |
---|---|---|
1位 | 看護のお仕事 | 2,689件 |
2位 | 医療ワーカー | 1,013件 |
まとめ
心療内科は近年ストレス社会において受診者も増えている分野です。
医療処置は少ないものの、心のケアを通して体の健康も取り戻していくサポートをしていくお仕事は、今の社会でも重要なやりがいのあるものになるでしょう。
興味がますます出てきた方は是非記事を参考に転職活動に活かしてきださいね。