歯科でも看護師が働ける。
こう聞いてどんな印象をお持ちですか?
病院で日々頑張る看護師さんは少なからず「どこか今より自分に合っている転職先はないかしら?」と、頭の中で様々な診療科で転職した場合のシュミレーションをしてしまうものではないでしょうか?
意外と盲点なのが「歯科 看護師」です。
歯科衛生士や歯科助手だけじゃなく看護師も働く事が出来るのです。
今回は転職先の一つの候補として歯科で働く看護師の仕事内容や実情をお伝えしますので、今後もし転職を考えた時の1つの参考になさって下さいね。
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歯科看護師の役割や仕事内容
歯科での看護師の勤め先は主に、口腔外科を有する大学病院や総合病院、審美歯科、一般歯科などの歯科施設となります。
では、馴染みの薄い歯科領域において、看護師としてどんな役割や仕事があるのかお伝えします。
歯科看護師の役割
【今までの医療知識を活かし、医師と連携し、患者さんに安心・安全な歯科医療を提供する事】
医療知識や病院での経験が豊富な看護師がいることで、全身管理が必要な手術や衛生管理などで、その知識を活かし、より安全で確実な治療が可能となります。
万が一、手術中などに患者さんに異変が起こった場合でも、専門知識を持った看護師さんがいることで、病院側はもちろん患者さんにも安心してもらうことが出来ます。
(参考:丸橋全人歯科)
~総合病院・歯科口腔外科の歯科医師の声~
看護師さんがいていただいてよかったと思えるのは、高齢の患者さんへのサポートや、急変時の声掛けなどですね。これは、助かります。
引用:歯チャンネル88
~口腔外科で働く看護師の声~
例えば高血圧ひとつをとっても、降圧剤でうまくコントロールされていない方などは、抜歯などの手術のあと、出血が止まらないことがあります。
引用:はやせ歯科口腔外科 スタッフブログ
出血を最小限にとどめるように細心の注意を払って処置を行いますが、もしも出血が起こってしまったときにはレーザーや電気メスを使用して止血します。
また、ペースメーカーを入れている方、心臓の手術後の方、脳梗塞などで体が不自由な方など、それぞれに注意しないといけないことが違います。その様なことを考えながら診療の介助をし、皆様に安心して治療を受けていただけるよう努めています。
歯科衛生士とは違う仕事内容
歯科業務の中には、基本的に歯科の国家資格を有する歯科医師や歯科衛生士にしか出来ない事があります。
歯石除去・・・スケーラーと呼ばれる専用の機器で歯垢や歯石の除去をする
歯磨き指導・・・歯科保健指導という業務で正しい歯磨きの仕方を20分以上行う
この業務は歯科衛生士の独占業務であり、看護師が行うことは出来ません。(歯科衛生士が行う事により保険点数が加算され、診療報酬が請求できる)
その他の業務は、主に以下のような事を行います。
ただし、手術中心の口腔外科と虫歯治療が中心の一般歯科では業務内容が異なります。
手術中心の病院では舌癌など全身麻酔下での手術を必要とする場合、入院を必要とする場合の患者さんが来院される場合もあります。病棟勤務では入院する患者さんもいるため、当直・夜勤もあります。
- 採血、点滴、静脈注射(歯科医師の指示のもと)
- 手術の介助
- 手術前後の患者さんへの看護
- 全身麻酔のアシスト
- 患者の誘導、移動介助
- バイタルサインの測定
- 器械出し
- 印象採取
- バキューム類の把持、操作
- 歯科薬剤の準備や混和、印象材を練り合わせる
- ブラッシング、義歯の扱い方を含む生活指導
- 口腔ケア
- 急変対応
大学病院の口腔外科では看護士の方が大勢働いています。抜歯する道具をそろえたり、血圧を測ったり、当直などをしていますよ。
引用:yahoo!知恵袋
口腔外科とは?
口腔(こうくう:口のなか)、顎(がく:あご)、顔面ならびにその隣接組織に現れる先天性および後天性の疾患を扱う診療科。この領域には歯が原因となるものから癌までさまざまな疾患が発生します。交通事故やスポーツなどの外傷、顎変形症ならびに唾液腺疾患などの外科的疾患の治療も含まれます。
(参考:公益社団法人 日本口腔外科学会)
看護師特有の仕事の割合より歯科助手の方と同じような「歯科特有の業務」をすることが多いです。
- 印象採取
- バキューム類の把持、操作
- 歯科薬剤の準備や混和、印象材を練り合わせる
- 患者の誘導、移動介助
- 急変対応
*印象材とは、印象採得で歯の型をとる際や、咬合採得で上下の歯の噛み合わせを記録する際などに使用される材料のこと。
(参考:歯チャンネル88 歯科大辞典)
(参考:白山歯科クリニック)
歯科口腔外科といっても、歯科治療が中心の口腔外科と、本当に歯科治療はほとんど行わず、口腔外科の手術などを中心としている口腔外科では、看護師さんの役割も異なります。
引用:歯チャンネル88
歯科看護師のメリット・デメリット
歯科で働く看護師のメリットとデメリットをまとめました。
メリット
- 急変や死に直面する事がほとんどない
- 一般歯科クリニック勤務は残業や夜勤がなくプライベートと両立しやすい
*入院設備のある病棟勤務は当直・夜勤がある場合あり - 手術が積極的に行われている病院・診療所は、看護師の経験や知識が活かせる
(参考:看護のお仕事)
口腔外科・内科では、歯根膿胞や舌癌など口腔内歯の疾患のほか、顎の骨折で入院されます。手術や化学療法を行ったり、骨折の場合はワイヤーで上下の歯を固定する顎間固定をしたりしています。
引用:徳島大学病院 看護部のブログ
退院される患者さんの笑顔が、そんな私たちの「頑張ろう!」という気持ちの糧となっています。
デメリット
- 虫歯治療が中心のクリニックや口腔外科ではあまり看護技術を使わず、不満に感じる場合もある
- 一般歯科や大学病院での看護師募集があまりない
- 全国にある総合病院の中で歯科口腔外科を有する施設(病院歯科)も約15%しかない
- 口腔外科は総合病院の多数ある中の一つである事や混合病棟が多く、口腔外科で必ず採用という保証がない
(参考:JR東京総合病院)
(参考:厚生連高岡病院)
個人病院でも、麻酔科のある大き目の病院だと看護師の採用枠があるところもありますが、絶対数が少ないため狭き門です。大学病院も数が少なく、学校指定の場合があるので、これも狭き門かな。
普通に虫歯治療したり、小児歯科(一般歯科)だといわば、歯科助手のような扱いです。
引用:yahoo!知恵袋
一般歯科では、看護士資格をお持ちでも、歯科助手と同等になってしまうと思います。
歯科助手は、全くの無資格者で出来る仕事ですので、給料面でも、せっかくの資格が勿体無いのではないでしょうか…。看護士資格を生かすのでしたら、審美以外では、大学病院や総合病院の口腔外科には看護士としてのお仕事がありますので、そちらをお勧めします。
引用:yahoo!知恵袋
前勤めていた歯医者に看護師さんがいらっしゃいましたが、肩書きは歯科助手でしたし、 看護師として働いてはなかったです。
引用:yahoo!知恵袋
歯科看護師の向き不向き
歯科の看護師の向き不向きをお伝えしますので自分に当てはめて考えてみて下さいね。
【向いている人】
- 「歯科」という今までなじみのない新しい分野でもチャレンジしたいと思える人
- 口腔内の疾患を抱え、食べる、話す、飲み込むという事が困難な患者さんの気持ちを汲み取ろうと努力できる人
- 医師、歯科衛生士、歯科助手など他のスタッフとの円滑なコミュニケーションがとれる人
【向いていない人】
- 仕事内容の大きな変化や、新しい分野(歯科)への勉強・チャレンジは望んでいない人
- 歯科助手や歯科衛生士と似たような仕事はしたくないという人
- 看護師業務が少なくなるのは嫌な人
歯科看護師の求人傾向
歯科看護師【給料】
- 基本給20万前半~+各種手当+賞与と一般的な看護師の月給と変わりはない
(参考:神谷歯科医院)
(参考:ナースではたらこ 医療法人ヘブロン会 大宮中央総合病院)
歯科看護師【求人数】
看護師転職サイトを利用して「正看護師 全体」と「歯科 正看護師」の求人数を比較した所、
- 求人割合は5.5%と、求人数は非常に少ない
- 一般歯科クリニックでは看護師の募集が少ない(歯科助手や歯科衛生士が多い)
- 口腔外科単体での募集はないに等しく、病院全体の求人に口腔外科が含まれるものがほとんどである
*全国にある総合病院の中で歯科口腔外科を有する施設(病院歯科)は約15%しかなく、施設数自体が少ないため
という事がわかりました。
【口腔外科は総合病院内の数ある診療科の中の一つである】
(参考:東名古屋病院)
おすすめの求人検索方法
先に述べたように、歯科看護師の求人数は非常に少ない上、口腔外科を狙って求人を検索しても病院全体の求人募集である事が多く、求人検索には時間と労力がかかることが予想されます。
そんな時におすすめなのが看護師の求人に特化した「看護師転職サイト」の利用です。
会員登録をすればプロのキャリアコンサルトによる看護師の転職に関する様々なサポートを無料で受けることが出来る、看護師の求人に特化した人材紹介のサービスです。求人検索の利用だけでなく、相談する事で病院の情報を得ることが出来ます。
- 「口腔外科で看護師として歯科に関わり、働きたい」、「歯科助手と同じ業務でも夜勤のない一般歯科で働きたい」という希望を相談することができ、自分に合った施設を紹介してくれる
- 検索条件を細かく絞り込むことが簡単に出来、自分の希望する施設を見つけやすくなる
- 気になる病院があった場合、忙しい自分に変わりプロの転職カウンセラーが職場の雰囲気、忙しさ、希望の給料額の交渉などの「気になるけど聞きづらい事」を確認し、転職のサポートをしてくれる
- 応募が殺到するためにあえて非公開にしている非公開求人情報も知ることが出来る
- 面接対策や履歴書の添削、入職後の悩みをサポートしてくれる
- 病院見学に同行してくれる場合がある
歯科は「虫歯治療中心の一般歯科」を選ぶか「手術中心の口腔外科」を選ぶかにより、看護師の働き方が変わります。
自分の力だけで病院での看護師の仕事内容を細かく調べるよりも、看護師の転職に特化した「看護師転職サイト」をかしこく利用してはいかがでしょうか?
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1位 | 看護のお仕事 | 2,442件 |
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まとめ
歯科に興味をお持ちの看護師の皆さんいかがでしたでしょうか?
一般歯科では夜勤や残業がない代わりに歯科助手の方と同じような「歯科業務」が多くなります。
口腔外科では手術を中心するため、看護師業務もありますが、夜勤や当直も発生する場合があり、働き先の選択次第で仕事内容や生活スタイルが全く変わってくるでしょう。
働いてみたいと感じた方は、自分がどんなふうに歯科で働きたいのか、記事を参考にじっくり考えてみて下さいね。