“私も資格を取ってスキルアップしよう”と思った場合、
「実際どんな資格があるの?」「どうやったら資格ってとれるの?」「どのくらい費用ってかかるの?」といった疑問が生まれてきますよね。
今回は、スキルアップのなかでも、多くの人が注目する“資格”に焦点をあてて、資格取得によりスキルアップを目指す皆さんが、具体的な道筋を立てるヒントを紹介させていただきます。
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看護師が資格取得でスキルアップするとは
スキルアップ方法としての資格取得
そもそも、看護師の皆さんにとって、スキルアップとして資格取得を目指すとはどういうことなのでしょうか?
このスキルアップ方法は、看護師として自分の興味をより深め、資格という形で残すスキルアップ方法です。
「認定看護師」や「専門看護師」などが代表例としてあげられます。
大きな特徴は、自分の興味関心を専門的に深められ、その証として“資格”という形になることです。
資格を持っているということは、ある分野で秀でていることの証になります。
こういった点から、転職や復職するといった時にも役立ちますし、自分の力が形に残ると自信にもつながりますよね。
“極めたい専門分野がある” “自分の成長の証を残したい” といった方にはぴったりのスキルアップ方法であると思います。
また、資格取得の内容、手段も豊富ですので、忙しい看護師の皆さんそれぞれのライフスタイルに合わせて、スキルアップに挑戦することができます。
体験談から考える、資格が役立つ3つのポイント
多くの看護師さんが、スキルアップとして目指す“資格取得”
資格を取ることがすごいことはわかるけど、実際に取得して、役立つのでしょうか?
そんな疑問を解消するために、実際に資格取得をした人の体験談をみながら、考えていきましょう。
まずは3人の資格取得者の体験談をみてみましょう。
- 認定看護師取得体験談
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認定看護師です。メリットは、やはり分野の実践力の向上ですね。学校では、学習の仕方を学び、基礎知識をつくり、資格習得後に現場で実践し、経験を積み重ねていったことで、今ではこの分野の看護に関しては“自信”がもてるようになりました。わかること、できることが増えると、看護はとても楽しいし、やりがいを持って仕事ができます。患者さん、家族、スタッフからも、ありがたいことに信頼を寄せてもらっています。また、職場や地域で活躍している認定看護師さん、研修学校でともに苦難を乗り越えた同期など、共に頑張れる仲間がたくさんできました。
引用:yahoo! 知恵袋
- メンタルヘルス資格取得体験談
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看護師としての立場や責任が重くなるにつれ、職場の雰囲気に対しての判断力や考え方等、心のコントロールが必要な場面に出会うことが増え、心理学やカウンセリングに関する知識を学びたいと思うようになりました。・・・看護師として多忙な毎日を送る中で、自分自身をケアすることの大切さに改めて気づかされました。学べば学ぶ程、看護師にとって心の健康について学ぶことは大変意義のあることだと痛感。どんどん実践に活かしていきたいです。
引用:現役看護師さんにおすすめ!資格特集
- アロマセラピー資格取得体験談
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私とアロマとの出会いは、多忙のため精神的に疲れていた時にアロマトリートメントを受けたことでした。そこで、代替療法の一つとして注目されているだけでなく、自分自身のケアにも役立つアロマを学ぼうと思い立ちました。働きながら一年間みっちり学び、3つのライセンスを取得。現在美容皮膚科で勤務しており、レーザー治療後の炎症を抑えるため、ラベンダーを染み込ませた冷たいコットンで肌を冷やすことを提案しました。リラックスにもなり、患者さまにも喜んでいただいています!
引用:現役看護師さんにおすすめ!資格特集
3名の体験談を読んで考えると、看護師さんにとって、資格取得は3つのポイントで役立つと考えられます。
- 職場での信頼や自分への自信につながる
- 新しい視点から患者さんに向き合うことができる
- 自分自身の私生活にも役立たせることができる
①の点は、“周りにも目で見て成長がわかる”といった特徴から生まれるポイントです。
実際に、体験談でも“自信が持てるようになった”という声が上げられています。
②の点としては、新しい専門性を身につけることで、これまで以上に、患者さんを多方面からサポートできるということが考えられます。
メンタルヘルスケアの資格を取得した方のよう、これまで気づかなかったことにも、気づいてあげられることは、患者さんにとってもうれしいことですし、あなた自身の喜びにもつながると考えられます。
③の点は、単に看護師生活だけで無く、育児や私生活でも知識を役立てることができるため、生活の充実につながる可能性があるということです。
体験談からも、“自分自身のケアにもつながった”などの声があげられています。
このように、資格取得はしっかりと役立つポイントがあることが読み取れます。
資格取得のメリットとデメリット
看護師さんにとって資格を取得することのメリットやデメリットとはなんでしょう?それぞれを把握し、自分にとってあっているか考えて見ましょう。
- 成長した結果が形として残る
- ライフススタイルに合わせて、資格内容や取得方法を選べる
- 転職や就職の際にも役立つ
- 受験勉強などにより、ある程度の期間が必要
- 受験や合否といった精神的な負担は避けられない
- 取得して満足してしまう可能性がある
それぞれ、良いところ悪いところを踏まえて、自分が優先したいことがメリットにあてはまるか、またデメリットに関しても、乗り越えられる範囲であるか、確認してみましょう。
資格取得に向いている人
メリットやデメリットをふまえて、どんな人が資格取得に向いているのかまとめました。
- 形として残るスキルアップを考えている方
- ライフスタイルに合った学習方法を検討したい方
- 現在の苦手克服より、新たな知識や技術を磨きたい方
- スキルアップに長期(半年から~)でじっくりと時間をかけるイメージがある方
- コツコツと勉強することが好きな方
- 明確なゴールがないと気が緩んでしまうという方
資格取得に関して、上に述べたような項目に、少しでも当てはまる方は、資格取得は成長につながる良い方法だと思います。前向きな検討に進んでいきましょう。
看護師としてスキルアップを目指す上で、資格取得以外の方法も検討したいという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
2.看護師が取得できる資格とは
スキルアップしていく上で、どんなことを極めていくか、資格内容を実際にみて、さらに具体的に考えていきましょう。
各資格名をクリックすると、さらなる詳細を知ることができますので、気になった資格について調べてみてください。
科別アンケートから考えるおススメ資格
まずは、多数ある資格の中から、「現役看護師さんに聞いた資格に関する科別アンケート」をもとに、おすすめの資格を紹介させていただきます。
(参考:嫁は看護師 科別アンケート)
市町村の保健所や保健センター、企業、学校、訪問看護ステーションなどに所属して、健康相談を開くといった地域の住民が健康な生活を送るためのサポートを行います。
人々の相談に乗る、病気を予防するための健康教室などを開催する、健康診査を実施し早期発見を促す、などが主な仕事となります。
正式名称は介護支援専門員。仕事は、要介護者(利用者)、またはその家族からの依頼を受けて、要介護者の健康状態や家族状況、希望などを総合的に把握することです。
要介護者の立場にたって、最も適切なサービスを組み合わせた計画(ケアプラン)を作成します。
認定心理士は、心理学の専門家として仕事をするために必要な最小限の標準的基礎学力と、技能を習得していると認定を受けることができます。
3学会合同呼吸療法認定士は、認証工学技士・看護師・准看護師・理学療法士が、それぞれの職種において呼吸療法を習熟し、呼吸管理を行う医療チームの一員として、レベル向上を目指すことを目的としています。
資格取得を通じて、呼吸療法の実施およびその遂行に用いる機器の管理など、幅広い領域にわたって専門的な知識や技術を学んでいきます。
米国心臓協会(AHA)と提携した国際トレーニング組織である、日本ACLS協会が実施するコースを受講することで認定される資格。
主に医療従事者を対象とし、成人や小児の一次、二次救急処置を学びます。また、心停止だけではなく、重症不整脈、急性冠症候群、脳卒中の初期治療についても学ぶ。
分野別資格一覧
科別アンケートから考えるおススメ資格で紹介した資格以外にも、主要なものはたくさんあります。
資格名をクリックすることで詳細を見ることができますので、自分にぴったりの資格をぜひ探してみてください。
目安として、分野ごとに分けて資格を紹介しています。
それぞれがどんな面で役立つか、難易度はどうかといったことも基準としてのせていますので、参考にしてみてください。
【医療専門分野】 難易度★★★ 自信度 ★★★ 生活役立ち度 ★
この分野においては、さらなる医療技術に関しての専門性を高めるため、資格取得にむけて、他の分野よりも根気強い努力が必要になると考えられます。
しかし、だからこそ誰でもとれる資格といったものでなく、“希少価値が高い”といえます。
私生活にも役立つというより、“職場で役立つ”ことが何よりも優先したい、という方は、興味があるものをさらにリサーチしてみましょう。
- 認定看護師・・・臨床現場におけるエキスパート
- 専門看護師・・・看護ケアのスペシャリスト
- 助産師・・・安定している点からも人気のある資格
- 臓器移植コーディネーター
- 日本産業衛生学会登録 産業看護師・・・企業で働く看護師
- 心臓リハビリステーション指導士
- 消化器内視鏡技師
- 救急救命士・・・搬送中の患者に救急救命処置を行う
- 患者急変対応コース for Nurses・・・患者の急変対応のトレーニングコース
- マタニティビクス認定インストラクター・・・妊婦体操のインストラクター資格
- 日本糖尿病療養指導士・・・糖尿病療養のコメディカルスタッフを指導
- 透析技術認定士・・・透析療法のスペシャリスト
- 透析療法指導看護師・・・腎不全領域のスペシャリスト看護師
- 体外循環技術認定士・・・人工心肺やその周辺機器に関する知識・技術の資格
- 養護教諭・・・いわゆる保健室の先生
- 医療環境管理士・・・院内感染対策のスペシャリスト
- 認定看護管理者・・・管理者として優れた資質を認められた看護師の資格
【心のケア】 難易度★★ 自信度★★ 生活役立ち度★★
この分野は精神的な専門性を高めるものです。
現代において“メンタルケア”は重要視されており、精神的な問題に苦しむ患者さんも増えているため、ニーズも高まっています。
どんな勤務先においてもいかしていける資格でしょう。
もともと、心理学に興味がある人にとっては特におすすめです。
通信制の利用もできる分野です。
- 精神対話士・・・心に痛みを抱えている人の精神的なケアを行う
- 精神保健福祉士・・・精神障害者の社会復帰を支援する
- 臨床心理士・・・生活のあらゆる分野で活躍できる心の専門家
- ケア・カウンセラー・・・ケアリング従事者のメンタルヘルスをサポート
- 性暴力被害者支援看護職・・・性暴力被害者に対する支援活動を行う
- 学会公認ヘルスカウンセラー・・・カウンセリングを実践し生き方を支援
- 学会公認グループカウンセラー・・・集団行動における支援活動を行う
【アロマ】 難易度★ 自信度★ 生活役立ち度★★★
香り”というものは、精神をリラックスさせるなど、医療の面でも注目されています。
比較的資格取得を目指しやすいと考えられ、通信制も利用することができる分野です。
職場だけでなく、私生活として知識を生かしていきやすいものと考えられます。
- 英国IFA認定アロマセラピスト・・・世界有数の規模を持つ国際アロマセラピスト資格
- 日本アロマセラピー学会認定医療従事者・・・アロマセラピーを医療に生かす資格
【栄養の専門家】 難易度★★ 自信度★ 生活役立ち度★★★
健康にとって大事な、”食”に関して専門性を高める分野です。
健康志向が高まっており、生活習慣病なども増えている現代で、栄養面のサポートはニーズが高いと思われます。
自身の生活や健康にもつなげていくことができる資格です。
- 栄養サポートチーム(NST)専門療法士・・・栄養管理のチーム医療を行う
- 日本臨床栄養教会サプリメントアドバイザー・・・サプリについてアドバイスを行う
- 栄養情報担当者(NR)・・・健康食品などのアドバイザー
【介護分野】 難易度★★ 自信度★★ 生活役立ち度★★
医療と介護は切り離せない関係にあり、高齢社会において、最も必要性の高い専門分野と考えられます。
将来的にも、求められる職場は、介護の資格をもつことでさらに広がるでしょう。
現在高齢者の方とふれあう機会が多く、もっとサポートしていきたいといった方は、注目の資格分野です。
通信性講座も存在します。
- 介護福祉士
- 福祉レクリエーション・ワーカー・・・福祉施設内での健康や生きがいづくりを支援
- 認知症ケア専門士・・・認知症ケアのスペシャリスト
- 福祉住環境コーディネーター検定試験・・・高齢者や障害者の住環境アドバイザー
その他
少しでも興味がある資格に関しては、資格名からさらなるリサーチをしてみてください。
何個か興味のある資格に候補を絞って、具体的なスキルアップにむけた道筋を考えていくようにしましょう。
資格取得の3つの手段
具体的な資格内容を見た上で、いざ何らかの資格を取得するとなった場合、どんな手段があるのでしょうか?
忙しい看護師さんにとってどうやって資格を取得するかということも、ライフスタイルに関わる大切なポイントですよね。
特に、家庭や仕事と両立しながらのスキルアップを考えている方にとっては、時間的にも費用的にも手段は悩みどころ。どんな手段があるのかみていきましょう。
通学制で行う資格取得
まず一つ目は“通学制”です。
資格取得のために、大学やスクールに自らの足で通う形になります。
資格の中には、専門看護師や認定看護師のように一定期間、所定の学習期間への通学を要するものもあるので、そういった場合には、通学制によって資格取得を目指します。
そのほかにも、各資格に関してスクールが開講されています。
通学制の特徴としては、ほかの2手段よりも費用の面や時間制約の面で負担がかかりますが、同じ志を持つ看護師さんと直接かかわる機会があるという点です。
スキルアップするうえで、モチベーションを保つのはなかなか一人だと難しいですよね。
同じ方向を目指す仲間の刺激を受けて、より向上心を保てると思います。
通信制で行う資格取得
2つ目の手段としては“通信制”が挙げられます。
ネット環境が充実している現代において、通学制よりもリーズナブルであり、空いた時間を有効活用しながら利用していけるといった点から、看護師さんのライフスタイルに合わせやすい手段です。
近年では、取得できる資格を増えてきているため、関心が多く集まってきています。
比較的リーズナブルである点や、ネットを利用するといった利便性に魅力を感じるところではありますが、一方で辞めやすかったり、自己管理能力が問われるといった面もあります。
独学で行う看護師のスキルアップ
3つ目の手段としては、“独学”が挙げられます。
基本的に、取得したい資格に関する一般的な参考書を用いて勉強を進める形です。
通信制以上に自己管理・自己判断能力が求められますが、コストに関しては一番負担が軽いです。
比較!3つの手段の特徴と費用
具体的にどのくらいの差があるのか、実例比較を通してみてみましょう。
これはケアマネの資格取得を目指す場合の比較表です。
《ケアマネージャー資格取得時の比較表》
通信制 | 通学制 | 独学 | |
費用 | 約5万 | 約15万 | 約1万 |
期間 | 半年程度 | 半年程度 | 3ヶ月程度から |
時間の調整 | ○ | △ | ◎ |
学習環境 | ○ | ◎ | △ |
このように、それぞれ費用や時間などの面でそれぞれの特徴があります。
自分の目指す資格がどんな手段で取れて、自分はどれを選択するか、総合的に判断するようにしましょう。
また、大学に通学する場合は、学費としてもっとまとまったお金が必要になります。
目指す資格が大学、大学院への通学を要する場合には、費用面に注意して計画を立てるようにしましょう。
資格取得を目指す前に
資格内容のリサーチと準備
資格内容について、「なんとなく絞れてきた」「とりたい資格が出てきた」という方は、その資格に的をしぼって、さらなるリサーチを進めましょう。
特に3章でもみたように、取得方法によって、資格にかける時間や費用は大きく異なってくるケースがあります。
自分の目指す資格に関しても、それぞれの手段の費用やメリットを検討した上で、必要な費用などはあらかじめ余裕を持って準備することをこころがけましょう。
資格を取得することが終わりじゃない
資格取得は、ほとんどが何らかの受験合格を目指すことになるでしょう。
皆さんが合格し、何らかの資格を持つことは、もちろんスキルアップの目標達成であることは確かです。
しかし、資格を取ることに必死になって、それをなかなか現場でいかせず、「形だけ残ってしまった」という声も耳にします。
資格を取得して、それを現場でいかしていくことも、スキルアップの一続きであることを念頭に置いておきましょう。
そのためにも、資格取得をする前に「今の現場」もしくは「転職希望の現場」でいかせていける資格であるかは、じっくり考える必要があります。
自身の興味関心は大切にしつつ、そういった面を考慮しながら、考えていきましょう。
資格取得支援のある病院の探し方
資格取得する時には、病院側の理解やサポートがあると資格取得への後押しになります。
忙しくて時間がない方が、効率よく資格取得支援のある病院や、資格取得した看護師が活躍している病院を探すには、転職サイトを利用することがおすすめです。
担当のキャリアコンサルタントが病院の詳しい情報(資格の取得状況や支援の詳細)を教えてくれます。
その他にも下記のようなメリットがあります。
- 自力で調べにくい職場の人間関係や離職率などの内部情報を教えてもらえる
- 時間短縮になる(求人を探す手間や病院との交渉や病院見学・面接等の日程調整など)
- 自分では聞きづらい給与等の条件面の確認や交渉をしてもらえる
- 非公開の求人を紹介してもらえる
※転職で後悔しないために、自分が職場に求めること(重要視すること)や優先順位を明確にし、職場について詳しく確認しましょう。
参考までに下記はいくつかの転職サイトで教育や研修制度の充実した病院を求人検索した結果です。(2024年9月時点)
→看護師転職サイトランキング【20種の求人条件で比較してみた結果】_看護師転職サイトと自力転職との違い
おわりに
皆さんいかがだったでしょうか?
この記事をよむことで、“どんな資格を取得していこうか、どうやって資格を取得していこうか“といったことが、少しでも具体的に検討できていたらうれしいです。
資格取得によって、看護師としてさらなる成長を目指してください!