看護師の転職で採用の決め手とも言えるくらい重要な面接。
転職の面接は新卒の時とは違い、やる気だけでは通りません。
とても緊張する場面で、失敗せずに自分をしっかりアピールできる人は、どんな準備をしているのでしょうか?
ここでは、順に従って定番質問への答えをしっかり用意するだけで、自分の考えがまとまるので、自信を持って面接に臨むことができるようになります。
面接の質問に答えるための準備の仕方だけでなく、服装やマナーのチェックまで、転職の面接までに準備するべきことを、すべてまとめました。
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面接準備① 5つのステップで必要な情報をまとめる
まずは、質問に答えるための対策をしていきましょう。
面接で自信を持って受け答えするためには、自分の考えや情報を、あらかじめまとめておくことが大切です。
ここでは、5つのステップに分けて、面接に必要な『質問への答え』を用意していく方法を説明します。
転職理由を考える
はじめに、自分の転職理由を決めましょう。
なぜ転職理由から考え始めるかというと、転職・退職した理由を考えることは、自分の理想が何かをはっきりさせてくれるからです。
スキルアップや資格取得などのポジティブな理由はそのままで構いません。
出産や病気、家族の転勤・介護などのやむを得ない理由の時は、今は問題なく働ける状態だというところまで説明するようにします。
人間関係や待遇への不満等のネガティブな理由はなるべく伏せたほうがいいでしょう。
前の職場を悪く言うことは、とても印象が悪くなります。
自分が前向きに進もうとしている方向をポジティブに伝えられるよう、退職した理由・転職する理由を考え、書き出しておきましょう。
応募先・希望職種の情報収集をする
転職理由が決まると、理想の職場や譲れない条件が見えてきます。
応募先のことや希望の仕事についてよく調べることは、自分がやりがいを持って働けるかどうかを見極めることはもちろん、面接の場であなたの本気を伝えるために必要なことです。
応募先の病院や施設については、インターネットやパンフレット、働いている人やハローワークの人に聞くなどして、特徴や共感できる情報を集めます。
実際に見に行ったり、診察を受けてみたという人もいます。
足を運ぶことで感じる雰囲気も大事にしてください。
仕事内容や勤務体制が希望と合っているかも先に調べておく必要があります。
今までと違う職種を目指す場合は、どんなスキルや資格が必要かも知っておくことが大切です。
志望動機を考える
目標や強い希望があって転職する人は、その思いをストレートに語るだけでなく、調べた応募先の情報を入れることで、ここで働きたいという強い気持ちを伝えることができるでしょう。
また、転職理由を志望動機に結び付けることで一貫性を出すことも大切です。
ネガティブな退職の場合、志望動機も本音を言いにくい場合があります。
そういう場合も、先に転職理由をしっかり考えておくと安心です。
例えば、「自分はこういう希望があったが、前の職場では叶わなかったので転職を考えた。御院ではこのような医療が行われており、自分のスキルを十分に生かして働きたいと思った」などのように、つながりを持たせることで、説得力のある志望動機を考えてみてください。
ただし、応募先の職種や職場の方針と食い違わないように気をつけて、まとめましょう。
実務経験・看護観をまとめる
ここまで決まったら、自分の経歴とスキル、経験してきた仕事や立場などをまとめます。
まずは古い順に並べてみるのがよいでしょう。
応募書類を書いていれば、そこに書いた職場や職種、持っている資格だけでなく、任された仕事や任務、得意な業務や覚えたスキル、更にそこから得た経験や成長した点なども書き込んでみます。
全部言ってしまうと長くなり、応募書類そのままになってしまうので、その中から特に、自分の強みとしてアピールしたい部分をピックアップし、簡潔に述べられるようにしておきます。
さらに、看護師の面接では看護観を聞かれることがよくあります。
看護師を目指した理由や、経験から得た信条など、自分の看護観をしっかりと話せるようにしておきましょう。
自己PRをまとめる
職場の情報、自分の希望や強みがわかれば、自己PRや自己紹介は作りやすいと思います。
新卒の面接とは違うので、「勉強させてもらう」とか、「一生懸命やります」のようなことを言うのはよくありません。
喜ばれたエピソードや、成果があった事例などを交えて、自分がどんな人物かを伝えると共に、応募先にどんな貢献ができるかという点を、具体的な経歴や目標を通して話すことで、あなたの良さがしっかりと伝わります。
また、長所・短所も聞かれることがあるので、考えておく必要があります。
長所は仕事によい影響を与えた体験と共に、短所は失敗談プラスその後どのような対策を取っているかまで伝えることで、ぐっとよい印象になります。
面接準備② よくある10の質問:回答例と準備シート
看護師の面接で聞かれやすい『10の質問』とその回答例を紹介しています。
ここからは、『10の質問』に答えていくつもりで、自分の情報・考えをまとめていきましょう。
回答は例を参考にしつつ、自分の状況に合わせて考えることで、自分を採用するメリットを的確にアピールすることができます。
提出する履歴書や職務経歴書のコピーを取っておき、それも見ながら書くとよいでしょう。
項目を書き込むだけで、自分の気持ちや経験に対する考えが深まり、基本の質問だけでなく、少々意地悪な質問や不意の質問にも答えられる準備ができます。
- 「転職したのはなぜですか?」
- 「退職理由は何ですか?」
- 「志望動機は何ですか?」「どうして当院を選んだのですか?」
- 「当院で何をやりたいですか?」
- 「経歴と実務経験を教えてください」
- 「あなたの看護観を教えてください」
- 「自己紹介をしてください」
- 「自己PRをお願いします」
- 「あなたの長所を教えてください」「あなたの強みは何ですか?」
- 「あなたの短所を教えてください」「あなたの弱みは何ですか?」
「何か質問はありますか?」―逆質問 への対応
面接の最後に「何か質問はありませんか?」と聞かれることがあります。
その場合、何かしらの質問を用意しておきましょう。
質問することで、本気でここで働きたいと思っていることをアピールすることができます。
直接話ができるこの機会に、聞いておきたいことがあれば積極的に聞きましょう。
ただし、給料や休暇、残業についてばかり聞くのは、条件だけで決めているのではと思われてしまいますので、どうしても聞きたい場合は、仕事の内容についての質問などをしたうえで、控えめに質問するようにしましょう。
<質問例>
◇「主にどのような業務を任されるのでしょうか?」
◇「交代勤務はどのようになっていますでしょうか?」
◇「担当する患者さんは何人ぐらいになるでしょうか?」
◇「勤務するまでにやっておくべきことはありますでしょうか?」
◇「試用期間はありますでしょうか?」
質問準備シートとその使い方
≪質問準備シートの使い方≫
- 細かい◆の項目に対して、それぞれ自分なりの答えや考えを書き込んでください。
- 質問ごとに、より説得力のあるもの、応募先に合っているものを、なるべく一つに絞って選びます。
- 選んだ内容を、面接で聞かれたときに説明するつもりで、簡潔にわかりやすくまとめ、文章にします。
- 何度も声に出して読んでみましょう。家族に見てもらって意見をもらうのもよいでしょう。
- 面接に持っていき、待ち時間にも見直してチェックしましょう。
面接準備③ 服装&身だしなみチェックリスト
面接では看護師として、社会人としての見た目もチェックされます。
病院や施設で働くのにふさわしい、清潔感のある身だしなみと服装で望みましょう。
以下のチェック項目を参考に、準備してみてください。
女性
- 髪が長い場合は、まとめる
- メイクはナチュラルに
- 紺・黒・グレーのスーツに白のブラウスが基本
- A4サイズの書類が入るバッグを用意
- 黒い低めのパンプスがよい
男性
- 派手な髪形や伸び放題は厳禁
- ひげはきちんと剃っておく
- 紺かグレーのスーツに白のシャツが基本
- A4サイズの書類が入るバッグを用意
- 靴下は黒や紺など濃い色を選ぶ
→さらに詳しく知りたい人は、『看護師面接の服装と身だしなみ【チェックシート付】』もチェック!
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面接準備④ 面接の流れと知っておきたいマナー
面接の流れを見ていきながら、必要なマナーも確認しましょう。
あらかじめポイントを押さえておけば、当日もあわてずに自信を持って挑むことができます。
電話連絡
応募や問い合わせの電話から、面接は始まっていると思ってください。
自分から名前を名乗り、何の用で電話したかを言います。
要件や聞きたいことは、あらかじめメモして、ペンを用意して電話をかけましょう。
面接の日を変更したい時も、早めに連絡を入れて、変えてもらえるか聞いてみましょう。
明るい声ではっきりと、敬語を使って話します。
訪問
面接当日は、指定された時間の10分前には着くように行きます。
遅れそうな場合は必ず連絡を入れましょう。
上着などは建物の外で脱ぎ、手に持って入ります。
入口や受付で「面接に来ました、○○と申します」と名乗りましょう。
待合室では、携帯をいじったりせず、面接に向けて用意した答え方などを確認して待ちます。
あまりきょろきょろとするのはよくありませんが、さりげなく職場の雰囲気や施設の設備を見ておくとよいでしょう。
入室
面接の部屋に入るときは、ドアを2回ノックして、返事があればドアを開け、「失礼いたします」と言って入ります。
ドアを閉めたらその場でまずお辞儀をします。
イスのそばでもう一度お辞儀をし、ここで自分から名前を名乗り、「よろしくお願いいたします」と挨拶をします。
座ってくださいと言われたら、座りましょう。
面接中
応募書類持参の場合は初めに渡すように言われるので、封筒に入れたまま相手に向けて渡しましょう。
向こうから質問が来たら、考えてきたことを落ち着いて簡潔に話します。
質問への答えも大事ですが、面接中はコミュニケーション能力も見られています。
言うことを忘れてしまったり、思いがけない質問が来てもあわてず、落ち着いて考えて丁寧に答えれば大丈夫です。
主な質問が終わったら、質疑応答になります。
勤務や業務に関することで、聞いておきたいことがあれば、聞いておきましょう。
給料や休暇のことは知っておきたい気持ちもあるとは思いますが、あまり深く聞きすぎると、条件ばかり気にしていると思われてしまいますので、控えるようにしましょう。
退室
面接が終わったら、イスの左側に立ち、「本日はお時間をいただきありがとうございました」とお礼を言ってお辞儀をします。
荷物を持ったら、入口で「失礼いたします」とあいさつし、退室しましょう。
他の職員にもにこやかに会釈をして、建物を出るまで気を抜いて携帯をいじったりしないようにしましょう。
面接準備⑤ 最終チェック:失敗しないための心得
看護師らしく清潔感のある恰好で
第一印象はとても大事です。
家を出る前に、服装やメイク、身だしなみをもう一度チェックしましょう。
看護師として働く人間として、また社会人として病院・施設を訪問するのにふさわしい恰好を心がけましょう。
明るく笑顔で丁寧に話そう
面接では、話し方や表情も見られています。
あまりにも暗い表情や、なれなれしい言葉づかいから、看護師として働くあなたを想像されてしまいます。
だからと言って、よく見せようとするあまり、無理に演じたりする必要はありません。
緊張しすぎず、自信を持って臨むためには、鏡の前や家族の前で練習するなどしておくと効果があります。
当日はまず、きちんと相手の目を見て挨拶することが大事です。
質問をされたら、まず「はい、」と受けてから、落ち着いて話し出すとよいでしょう。
長々としゃべりすぎない
自分をアピールするあまり、語りすぎてはいけません。
伝えるべきことや自分の考えを、まとめて簡潔に話せるかどうかも、大事なポイントです。
質問への答えは、一度は紙に書いてまとめておきましょう。
また、提出した応募書類に書いた事柄や職歴は、メモにまとめて見直し、きちんと頭に入れておくようにしましょう。
柔軟に対応できる姿勢を見せよう
「急な残業にも対応できますか?」など、自分が望む条件とずれがあることを聞かれることもあります。
そんな時「絶対に残業はできない」などと最初から言い張ってしまっては、採用されません。
「できるだけ対応したいと思っています」「子どものお迎えの時間が決まっていますが、業務を残さないような工夫を心がけていきたいと思っています」など、柔軟に対応できること、前向きに検討しようとする態度を、見せるようにしましょう。
面接に不安を感じる人
転職するときの面接に不安を感じる方は多いと思います。
- 自分の考えている退職理由や志望動機で本当に良いのか?
- 病院側に聞きたいことがあるけど、聞けるか自信がない
- 緊張しやすく1人での面接に不安を感じている
そういった方は、転職サイトの無料転職サポートを利用することで、キャリアコンサルタントが面接の練習や、病院側への質問や給料交渉、面接への同行などサポートをしてもらえるのでおすすめです。
おわりに
面接も人と人とのコミュニケーションです。
同じ、医療・看護・介護を仕事とする者として、自信と信念を持って話をしてみてください。
理想の仕事・理想の現場を探して転職活動に踏み出したのに、面接で無理をして、いざ働いてみたら思い描いたものと違ったということもあります。
面接はお互いの相性を見る場でもあります。
相手に合わせるばかりでなく、自分の意思もしっかり持って、長く働けてやりがいの持てる職場に出会えるまで、挑戦を続けてほしいと思います。