看護学生・看護師の皆さんの中には、回復期の看護について勉強中、または今後働く先として興味がある、という方もいらっしゃるかと思います。

疾患によりどんなことに気を付けたらいいのか学びたい、回復期の看護師の役割ってなんだろう、回復期の看護の大変な部分ややりがいは?

今回は、回復期の看護に今後携わるかもしれない皆様に、気になるけど誰に聞いていいかわからない、回復期の看護について体験談をもとに探っていきたいと思います。

今後の仕事や転職候補の考えにぜひ活用してくださいね。

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回復期とは?

回復期の定義

回復期とは、患者の容態が危機状態(急性期)から脱し、身体機能の回復を図る時期のことです。

  • 脳血管障害や骨折の手術や急性期の治療を受けて、病状が安定し始めた、発症から1~2ヵ月後の状態
  • 合併症などを予防しつつ、リハビリを行っていき、その施設は回復期リハビリテーション病棟と呼ばれる
  • 療養型病床群に入院することによる医療費の拡大を抑制し在宅復帰を目指すため2000年に新設された

(参考:茨城リハビリテーション病院
(参考:看護roo!ナースぺディア
(参考:ウィキペディア

回復期の看護の特徴

  • 患者1人に対し1日に9単位(1単位が20分)までリハビリテーションを行う(最大180分/3時間)
  • 2012年の診療報酬改定により、看護配置は15:1から13:1 へ変更された
  • 正看比率は4割から7割へ、夜勤体制も看護師2人以上絶対へと基準がUPした
  • 看護師の他、リハビリ専門医や理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)らの支援で集中的な訓練に取り組む
  • 医療処置や急変急患は少ない

手厚い人員配置や行うべきリハビリ時間が義務付けられており、患者さんの充実したリハビリ入院生活を医療チーム全体で支え、早期に患者さんが自立し、日常生活が出来るように支援を行います。

人が日常生活において繰り返す、基本的かつ具体的な活動(ADL)の改善(主に食事、排泄、着替え、洗面、歯みがき、整髪など、移動、入浴など基本的な行為、動作)を中心に自宅復帰を目標としています。
(参考:ウィキペディア

回復期の看護で大切なこと

回復期の看護の役割と仕事内容

リハビリで「できるADL」を「しているADL」にしていくことが回復期の看護の役割です。

*ADLとは人が日常生活において繰り返す、基本的かつ具体的な活動
主に食事、排泄、着替え、洗面、歯みがき、整髪など、移動、入浴など基本的な行為、動作

  • ADL評価には「できるADL」と「しているADL」があります。

「できるADL」・・・訓練などの整った環境下で頑張れば出来る動作の事
「しているADL」・・・実際の生活場面で患者さんが行っている動作の事

(参考:社会医療法人財団 白十字会 燿光リハビリテーション病院
回復期では、リハビリ入院生活を支援し看護師以外にもセラピストと呼ばれる、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)など様々な分野のスタッフとチームを組み、共に働きます。

1日約3時間のリハビリは看護師以外のセラピストスタッフが中心となって行います。

その中で看護師の仕事内容は、

  • 日常生活の援助
    (目薬、軟膏処置、トイレ介助、入浴介助、オシメ交換、食事介助、車いすへの移動介助など)
  • バイタル記録
  • リハスタッフとの連携・カンファレンス

が主になります。

医療処置や手術といった急性期で経験しているような仕事内容とは違ってきますが、日常生活動作、一つ一つがリハビリ看護にもつながるため、日常生活の援助を通して、患者さんを一番近くで見守り、「出来ないADL」、「時間がかかるADL」、「しているADL」などをいち早く察知し、チーム医療へ繋げていく事が重要な仕事であり、看護師の大きな役割となります。

(参考:yahoo!知恵袋
(参考:看護師お悩み相談室

体験談から見る回復期の看護のやりがい

急性期病院と比較して医療行為が少ないという点はありますが、 一方、患者さまをじっくり看護し、回復のステップを目の当たりにできることや、他職種のスタッフと連携して看護展開していくことなどに学びややりがいのポイントがあります。
(参考:ナースではたらこ

回復期リハ病棟には看護の原点があると常々思って働いています。ケア、リハビリで患者さまが良くなっていく過程は一般病院では感じられない醍醐味があります。多職種とチームとなって悩みながら患者さまと目標を共有し在宅に向けてADLやQOLを向上させていく過程に魅力を感じています。

ここに入院できてよかったと言ってもらえたとき、娘の結婚式に歩いて出られた、1人暮しの生活に帰れた・・など感謝の言葉や笑顔が見られたとき、良かった・・と思える瞬間です。

引用看護師お悩み相談室

ある程度 病状が落ち着いた方で 元気になって退院(自宅&施設)していく患者を見られるのが嬉しいし、やりがいがあります。リハビリスタッフや看護助手との連携がとても大切で チーム医療の重要性を感じます。介護的な仕事も多く、体力勝負ですが、私は楽しいです。

引用:看護師お悩み相談室

回復リハ程、やりがいがあって勉強できる部署はありませんよ!脳梗塞に出血、高次機能障害、整形。いろんな疾患をかかえた患者さんがいますよね。アセスメントが鍛えられ、看護計画は一人ひとり違うはずですから今からたくさん勉強した方が今後急性期に配属したときに役立つはずです。

引用:看護師お悩み相談室

体験談から見る回復期の看護の大変なこと

看護師の仕事内容の大きな比重を占めるのが「日常生活の援助」です。

中でも頻繁に必要となるトイレ介助や、入浴介助、車いすへの移動は腰も体力も使い、医療処置とは程遠い看護の中でやりがいを見失ってしまう場合もあるようです。

回復期の看護についてこの仕事自体が嫌になるほど、色々考えさせられています。

実際の業務は1日200件以上のナースコール、8割トイレ介助・食事介助・夜間もナースコールセンサー使用の患者の対応、認知リハビリ、トイレ介助、その他にも、記録、家族との説明会の設定、退院調整、入院生活中の必要物品依頼等全て行っています。夜間トイレ100件程、夜トイレの前に休む間もなく立ち色々考える夜勤。

もちろんその他にも一般的な、医療行為も行い。はっきりいって、この仕事、回復期が楽しいと感じる余裕など到底ありません。

引用:看護師お悩み相談室

正直、毎日が苦痛でした。やりがいの無い毎日。介護士のおしゃべり。うんざりでした。

引用:看護師お悩み相談室

麻痺の患者さんの車いすトランスや入浴介助やトイレ介助など腰痛抱えた身には大変辛かったです。

引用:看護師お悩み相談室

正直、全くやりがいもなく、おもしろさもなく、毎日苦痛で仕方ありません。昼からは何もする事なく暇で、それがまた苦痛…。

引用:看護師お悩み相談室

回復期の疾患別看護

回復期でも疾患ごとに患者さんの症状も心がける点も変わってきます。

共通しているのは、急性期から脱した患者さんが早く日常生活に戻れるように、入院生活の中の看護を通して医療チームの一員として支援していく事です。

脳梗塞の回復期

回復期では疾患ごとに入院期間が定められています。
脳梗塞の場合、回復期病院への入院期間は

  • 最大で150日
  • 高次脳機能障害と呼ばれる思考や言語、記憶などの機能が障害されている場合は180日が最大の入院期間

急性期を脱した後、この定められた入院期間の中で早期ADL自立と早期社会復帰を目指します。

【心がける看護】

  • 運動麻痺・言語障害などの高度な後遺障害への手厚い日常生活への支援
  • リスク管理(声掛け、見守り、バイタルサインチェック)
    * 転倒・転落、血圧変動(訓練時の血圧上昇と起立性低血圧)
  • 麻痺は身体の中でも起きているので、摂食・えん下の状態や問題点などのアセスメント
  • 患者さんや家族への心的サポート

チーム内の他職種では気づけないような小さな変化を察知することや,うつ病を発症する事も多いため、患者サイドに立った心的サポートは看護師にしかできない大事な役割です。

また脳出血発症後,患者さんとその家族は急性期病棟から回復期病棟・施設へとめまぐるしく場所を変えて療養することを強いられます。

切れ目のない医療が患者さんに提供できるように連携を行うことが重要です。

(参考:看護roo!

統合失調症・回復期の看護

統合失調症の症状の現れ方や経過は人によってさまざまですが、一般的には、前兆期、急性期、休息期、回復期のという4つの段階で経過し、それぞれに症状は異なります。

回復期は数カ月~数年単位で経過するとされています。

【心がける看護】

  • コミュニケーションを図る際には、「否定も肯定もしない」という態度で接する
  • 自ら適切な服薬・症状管理ができるよう「本当に薬は飲んだか」などの様子確認
  • 各患者さんにとって何が禁句なのかを把握する

薬物による治療が主であるため、看護師はサポート役に徹し、各患者さんの想いや悩みを考慮しながら、献身的にケアを行うことで、早期治療に向けた適切な看護を行うことができます。

過度に援助すると自己解決能力が低下してしまい、再発のリスクが高くなるため、患者さん自身で解決できるよう努めていくことが重要となります。

(参考:ジョブデポ

回復期で働きたい方へ【効率的な求人検索方法】

回復期で働きたい方へ給料や求人数についてお伝えします。

給料について

  • 基本給20万前後+各種手当+賞与
  • 急性期などの他科との差はない

回復期 看護師 給料
(参考:医療ワーカー 医療法人社団翠清会 梶川病院
 

求人数について

看護師の転職に特化した、看護師転職サイトを利用し、「正看護師 全体」の求人数と「回復期リハビリテーション 正看護師」の求人数を比較してみました。

下記の比較表でもわかるように、求人数は

  • 正看護師の全体の求人に対し、約17%と求人数は決して多くはありません。

平成12年(2000年)に誕生した比較的新しい病棟であり、まだまだ、他の科に比べて病棟数も少ないのが理由と言えます。

 正看護師 全体回復期リハビリテーション
正看護師
求人割合
マイナビ看護師13,479件73件0.5
平均数9,9811,72617.3

おすすめの求人検索方法

先に述べたように回復期リハビリテーション病院の看護師求人数は非常に少ないため、求人を探すには時間と労力がかかる事が予想されます。

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まとめ

回復期の看護は医療処置も少なく、介護に近い日常生活の支援が主になるため、看護って一体なんなんだろうと、目的や意味が分からりづらい部分で悩んでしまう方も多いようです。

回復期の看護について悩んだり、興味がある方は、日常生活の援助を通して、変化をいち早く察知し、チーム医療へ繋げていく事が重要な仕事であり、看護師の大きな役割だという事、看護師も重要な医療チームの一員であることを忘れないでくださいね。

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